研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -025/046page

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 心得の中には「私のめあて」の欄を設け,そのめあてに向かって努めることにした。
 この心得ができ上がった当初は,やや抽象的な表現であったため,一部に心得を軽視する傾向がみられた。
 そのため,部内から反省を求める声があがり部会で話し合った。そして,自分たちで作った心得なのだから,みんなでもっと大切に守ろうということになった。
 これを機会に,活動に対する部員の心がまえや練習態度が変わってきた。
 例えば,2年生は1年生に対し,単に注意を与えるだけではなく,親切に技術を教えてやったり,励ましの声をかけてやったりするようになった。
 さらに,自己中心的な行動も少なくなり,自らの行動を厳しく見つめるようになった。
 また,1年生は2年生を信頼し,自ら進んで活動する態度がみられるようになった。
 以上のように,練習の心得を自主的に決め,それを全員で守って活動することにより,集団としてのまとまりが強くなったといえる。

(4) 「活動日誌」の活用
 以前の活動日誌は,単に活動を記録するだけであったが,例に示したように,新たに活動の反省や個人の記録の欄を設け,当番が毎日交替で記録することにした。
 そして,記録にみられる活動の様子や反省の中から,全員の問題となるようなことについて話し合い,共通理解を図っていくことにした。
 このように,記録したり,話し合ったりすることによって,記録の大切さを理解し,責任をもって記録するようになった。
 その結果,建設的な意見も記されるようになり,さらに練習の反省資料とし,また,お互いの技能や個人の問題点を見つけて解決しようとするなど,効果的な活用が図られている。
 その記録の一例として,活動日誌の一部を次に掲げてみる。

活動日誌の記録(例)
活動日誌の記録(例)

 以上のように,部員の記録に対し,教師が簡単な励ましや助言を書き添えることによって,部員との意思の疎通を図ることに役立ったと考える。
 日誌の記録を通して,部員同士や生徒と教師の相互理解が図られ,連帯感を高めることにつながった。

 女子バレーボール部は,部員数が多く,練習


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