研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -026/046page
する場所や時問など制約があり,一斉に練習することがむずかしい。
そこで,活動の効率化を図るため,グループ単位の活動を多く取り入れた。
グループ編成は,1・2年生の交流を深めるため縦割りにし,2年生をリーダーとした。
そして,いずれのグループも技能面で平均するように等質とし,競い合うようにした。
なお,練習の方法や内容については,各グループの自主性を尊重し,技能の向上を目指すようにした。
このような活動を続けることによって,練習にもおのずと熱が入り,以前みられた自分勝手な練習はかげをひそめ,グループのチームワークを主とする練習が中心となってきた。特に,グループ対抗のリーグ戦では,多くの声援がとび,試合の盛り上がりとともに,仲間意識も高まったと思われる。
9月以降は,チーム中心の練習に重点をおいたので,グループによる練習は少なくなったが,仲間意識は衰えず,新人大会を目指し,心を一つにして練習に励んでいる。
とりわけ,レギュラーになれない生徒は,我関せずという態度で非協力的になりがちであったが,今回は全員が一丸となって試合に臨もうとする意欲の高まりがみられた。
以上のように,グループ活動を取り人れることによって,部の雰囲気や友人関係の改善が図られ,仲間意識を高め,協カし合う活動を通して他人を思いやる心が育つなど,部としての一体感を高めることに役立ち,グループから部という大きな集団のまとまりに結びつきつつある。(6) 日常活動の工夫と改善
練習に変化をもたせるため,グループ活動においても,1・2年生を縦割りにしたり,等質にするなど工夫したが,さらにペアによる活動を取り入れた。
すなわち,準備運動,体力づくり,パスの練習などでペアを時々交替することにより,技能の向上を目指すとともに,部員同士の交流を深めるようにした。
「パスの練習などで上手な人とペアになった時は疲れるけれど,自分も上達するようだ。」,「いろいろな友達とペアを組んで練習することは楽しいし,友達もふえてきた。」などという声が聞かれるようになり,部員同士の結びつきが強まってきたことがうかがえる。このほか,部活動終了時の部員全員による清掃は,練習で疲れていても全員でやりとげることの大切さや,使用した場所に対する感謝の気持ちを育てることに役立っている。
また,整理運動の後,全員でカ強い工一ルを発することによって,チームワークづくりと部