研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -033/046page

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班反省記録

5.考察
 班活動を充実させることにより,自分の役割を果たすことが班の向上に役立つことを自覚し,同時に相手を尊重する気持ちも出てきた。
 さらに,班の目標に向かって協力しようとする心構えや班の一員としての自分の存在に気づくようになってきた。


4 結果と考察

これまで,事例ごとに簡単な結果と考察を述べてきたので,ここでは,この実践の総括的な考察を述べてみる。

生徒の意識の変容
生徒の意識の変容 ア

生徒の意識の変容 イ

 これまでの実践を通して,生徒の学級のまとまりについての意識がどのように変容したかを10月に調査してみた。
 結果からもわかるように,学級のまとまりについては,「まとまっている」と考えている生徒が57.5%と,7月の調査に比べ約2倍にふえている。また,学級のまとまりをよくするための「努力が足りない」と意識している生徒も,22.5%と,半分に減少している。
 このことは,単に今回の実践によるものだけとはいいきれないとしても,学級のまとまりに対する意識の高まりがみられ,望ましい学級づくりに生徒一人一人が前向きに取り組んでいることを表している。
 そして,具体的には次のようなことがいえる。
(1)班員同士や学級の生徒相互及び生徒と教師間の信頼関係が,かなり深まってきた。
(2)学級を楽しくすることやまとめようとするために,生徒が積極的に意見を出すようになってきた。
(3)班や学級の目標の達成を目指し,努力する姿がみられるようになった。
(4)他人を患いやり,学級のまとまりを図ろうとする生徒が多くなってきた。
(5)所属している集団の一員としての目覚が高まってきた。

 学級づくりは,連帯感を育成するに当たって,集団と個とのかかわりを認識させるという点で,生徒一人一人に有効に働くと思われる。また,ここで培われた連帯感が,学級を基盤として学年あるいは学校という大きな集団にまで,発展,拡充されるものと考えられる。


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