研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -039/046page

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いた。このことは,生徒主体の取り組みの結果であるように思える。
 ハイキングを終えて,いよいよテント村に入り食事作りを始めたが,これは過去の経験では最も苦労したことであり,今回もそれが予想されていた。
 しかし,実際の活動では班員の協力はみごとなものがあった。
 男子生徒はさっさと枯木を集め,煙に涙して「生きている証拠だ」とはしゃぎ,女子生徒の野菜刻みをめずらしそうにみている。
 女子生徒の中でも,学校生活では目立たない生徒がすばらしい料理ぶりをみせ,意外な注目を集めていた。
 班単位による活動の中には,和気あいあいとした雰囲気があり,そこにおける相互の人間関係にには,ほのぼのとしたものが感じられた。
 こうして作られた人間関係が,キャンプファイヤーを始め,それ以外の活動の随所にみることができ,連帯感もこうした活動を通すことによって培われていくものと意を新たにしたものである。
 この行事が,ある程度初期のねらいを達成することができたという背景には,計画の段階から生徒の自主的な参加を促すと同時に,大自然の中で生活するには,いかに協力し合うことが大切なのかを身をもって体験したことにあると思われる。


修学旅行

(1) 実践の構想
 2泊3日の修学旅行の行程に,鎌倉における生徒の自主プランによる見学を取り入れたのは今年で3年目である。
 これが取り入れられた理由には,以前の修学旅行は全コースガイドつき,しかも教師主体の活動が多く,生徒の自主的な活動を促すものにはなっていなかったのではないかという反省による。
 このことは,本校の教育目標の一つである「豊かな心情」の育成を図るための努カ事項の一つとしている「自主的,実践的態度」の達成が不十分であったということでもある。
 3年で実施する修学旅行では,2年で行った「登山」及び「集団宿泊学習」の体験を基盤にして,その行程に生徒の自主プランによる班単位の見学を取り入れ,班ごとの計画から行動までの一切を自主的に行わせることによって,連帯感の育成を図ろうとするものである。

(2) 実践の内容
 これまでの登山及び集団宿泊学習の指導や実施については先に述べた通りであり,この実践に至るまでの経緯についての詳細は省略する。
 ここでは4月以降実施に至るまでの計画の中で生徒が行った自主的活動を※印をもって示すことにする。

実践に至るまでの経緯


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