研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -043/046page
<学級づくりを通して>
学級づくりは,教育活動の基盤として,欠くことのできない営みであり,広い意味をもっている。
D中学校の事例は,学級づくりのごく一部についてであるが,学級の問題を解決していく過程や班ノートの活用に取り組むことを通して,学級の生徒相互,生徒と教師の人間関係が,より望ましくなっていくなど,集団と個のかかわりから連帯感が芽生え,育っていくことがわかる。以上,各事例について概括をしたが,連帯感の育成は,学校教育だけに限定されるものではなく家庭及び地域社会などとの緊密な連携を図りながら進めていかなければならない。
また,児童生徒の連帯感は,生徒指導のねらいとする,「すべての児童生徒のそれぞれの人格のより良き発達を目指すとともに,学校生活が児童生徒一人一人にとっても,また学級や学年,更に学校全体といった様々な集団にとっても,有意義にかつ興味深く,充実したものになるようにすることを目指す〜」上で,大きな働きをすることを忘れず,その育成に努力していかなければならないと考える。