研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -044/046page

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あ と が き

 本研究にとりかかった時点では,「連帯感」という言葉そのものに異和感を覚えたこともあったが,研究が進むにつれ,生徒指導の充実のためばかりでなく,ありとあらゆる教育活動を支える基盤として,「連帯感」は実に重要であり,今日,特に,児童生徒に連帯感を培っておかなければならないという認識をもつに至った。
 よく考えてみると,実践事例にみられるような教育活動は,各小・中学校において,既に行われているということもできる。
 すなわち,「連帯感」という言葉を使わないだけであって,教育活動は,そのほとんどすべてが様様な集団をもとにして展開されるのであり,その際には,児童生徒の一人一人が目標をとらえ,その達成に向かって努力するという目標志向性,集団の成員同士の豊かな人問関係ともいうべき親和感,成員が責任をもって集団を支えていくことによって生じる所属感など,それぞれの高まりや深まりを目指し行われているわけであって,このことは,とりもなおさず「連帯感」の育成そのものであるといえるからである。
 ともあれ,研究協カ校ならびに研究協力員の方々の絶大なる御協カと,日ごろの経験を生かした真しな御努力とによって,貴重なる具体的実践例が寄せられ,所期の目的としていた,児童生徒の連帯感を育てるための手掛かりが得られたことは大きな喜びである。
 しかし,いうまでもなく5校の実践事例は,児童生徒の連帯感を育成するすべてではないし,必ずしも最良の方策ばかりとはいえない。
 つまり,あくまでも一つの試みとして受け止め,これらの実践事例を参考にしながら,今後の学校教育の中で,集団における児童生徒のよりよい人問関係の醸成を図るとともに,それを基盤として連帯感の育成を目指す,きめ細かな指導を推進していってほしいと考える。
 最後になったが,御協カをいただいた学校及び研究協カ員をはじめ関係各位に,心からの敬意と深い感謝の意を表する次第である。


<研究協力校及び研究協力員>

伊達郡保原町立保原小学校  教諭 松浦 芳孝

相馬市立中村第二小学校   教諭 門馬  亨

福島市立北信中学校      教諭 斎藤 金夫

安達郡安達町立安達中学校  教諭 鈴木 隆雄

田村郡三春町立三春中学校  教諭 佐藤 鎮雄



研究プロジェクトメンバー
○菅野 家作 林    功
○藤本 忠平 藤田   克彦
○松本 喜男 田中  四郎
○渡部 悦夫 吉田  和子
○片寄 秀雄 秋葉  史裕
(○は企画推進委員) 鴫原   弥

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