研究紀要第73号「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -102/126page

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4. 事 例
= カウンセリングの主な技法 =

○ 受容 :
 相手のすべてを受け入れるという態度で接し,非審判的で許容的にひたすら傾聴すること。言葉の背後にある感情を受容しながら聴くことが大切である。
うなずき,「うんうん」「なるほど」などと応答しながら聴く。
○ 支持 :
 相手の心情を支持したいという気持ちで接し,言葉はもちろんのことその背景にある感情を十分に支えるようにする。支持する内容と支持しない内容を明確に識別して応答することが大切である。
○ 繰り返し :
 相手の話す内容のポイントをつかまえて相手に投げ返すこと。おうむ返し的に言葉を繰り返すのではなく,相手の気持ちを十分に受け止め,過度に深刻にならない程度に感情をこめてこたえることが大切である。
○ 明確化 :
 相手がうすうす気づいている程度のことを,指導援助者が先取りして言語化し,意識化させること。これにより,自己への気づきが促進される。
○ 質問(リード) :
 カウンセラーが来談者の会話や感情の流れを助長するために行う適切な質問のこと。特に必要がある場合を除き,「はい」「いいえ」で答えられる質問は避け,来談者の会話が豊かにふくらむようにすることが大切である。
○ リフレーミング :
 否定的に見られていることを別の角度から見直して,肯定的に表現しなおしたり,意味のあいまいな肯定的者味合いを強調すること。
「私は何をしてもダメなんです」→「自分を深く考えてよく反省するんですね」
○ ノーマライジング :
 「……なら−−になるのは当然だ」のように気持について,原因 → 結果の道筋を肯定的に受けとめること。
「あなたがそのような気持ちなら,そのような行動になる気持ちはよくわかるね」

事例における図などの表示について
● 家族システム・力動
 □ …… 男性を表す,大は父親,小は子供を表す,○ …… 女性を表す,大は母親,小は子供を表す。
 家族システムの表し方は,家族間の情動面やコミュニケーションの状態を線で結び表す。
結合の強さは,≡ > = > − > …… の順に弱くなる。

● 事例における枠組み表示
 事例の中で,文体に 口 の表示のある部分は,非社会的行動をもつ児童生徒への指導援助の手引との関連を示す。


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