研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -002/137page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

3.第二年次研究実践内容(昭和63年度)

(1) 校内研修推進過程(P−D−S)における問題点の限定と実践課題の明確化

 本年度は,前記調査研究結果から.現在教育現場で校内研修推進上最も改善充実を図らねばならぬ問題点の限定と本研究実技課題を明らかにすることから出発した。次のとおりである。

 「計画の段階」

ア 個人のこ−ズを生かして研修課題を集約する 手続きが不十分である  〜 「児童生徒や教師の ニーズを生かした研修課題は.どのような手順 ・内容で集約すればよいか。」

イ 研修課題を生かし共通理解を図る研究主題の 設定の仕方が不十分である  〜 「研修課題を生 かして共通理解を図りながら研究主題を設定す るにはどうすればよいか」

ウ 学級の実態や個人の希望・特性をふまえて研 修組織をつくることが難しい  〜 「研修意欲を 促す研修組織は,どのような手順・内容でつく ればよいか」

エ 到達目標達成までの推進計画が不明確である  〜 「到達目標達成までの過程が明確な年間推 進計画は,どのような内容や手順・内容で作れ ばよいか」

 「実施の段階」

ア 校内研修の時間は,ほぼ位置づけられている が,実質的な確保に乏しく,その活用の仕方も 工夫がたりない  〜 「研修時間を実質的に確保 するとともに,研修会を効率的に運営して研修 の成果を上げるには,どのような方法を工夫す ればよいか」

イ 授業の質的改善と授業研究内容の共有化を図 る授業研究のすすめ方が不明確なため研修意欲 が高まらない  〜 「授業研究内容の共有化を図 り,授業の質的改善に結びつく授業研究はどの ような手順・内容ですすめたらよいか」

ウ 校内研修推進過程における研修資料の収集・ 活用が不十分である  〜 「研究主題到達までの 資料の収集・活用はどうあればよいか」

エ 校内研修推進におけるリーダーのあり方や具 体的な援助指導の内容・方法が不明確なため協 働意欲が十分高まらない  〜 「校内研修におけ る協働意欲を高めるためのリーダーのあり方, 援助指導はどうあったらよいか」

 「評価の段階」

ア 到達目標達成までの研究推進の形成的評価の 内容・方法が不明確で,形成的評価が不十分で ある。  〜 「到達目標達成までの形成的評価の内 容・方法はどうあったらよいか」

イ 計画・実施・評価各段階における総括的評価 の内容や方法が適切でないために,研修推進や 研究の進展が不十分である  〜 「校内研修推進 過程における適切な総括的評価の内容・方法は どうあったらよいか」

ウ 校内研修の評価結果を生かす内容・方法が不  明確なために次年度に十分に活用されていない。 〜 「校内研修の評価結果を生かす内容・方法 を明確にして次年度に活用するにはどうしたら よいか。

(2) 「自己啓発を促す校内研修のあり方・すすめ方」(試案)の作成

 上記の実技課題に対する「あり方・すすめ方」 の試案(11)を作成した。次のとおりである。

校内研修計画の段階

1.個人のニ一ズを生かした 研修課題 の集約の仕方 2.研修課題を生かした 研究主題 の設定の仕方  3.研修意欲を促す 研修組織 のあり方・すすめ方  4.到達目標達成までの過程が明確な 年間推進計画 の作り方

校内研修実施の段階

5.研修の成果をあげる 研修時間 の確保の仕方と運営のあり方・すすめ方  6.研修意欲を高め,授業の質的改善を図る 授業研究 のあり方・すすめ方 7.研究主題到達までの 資料の収集・活用 のあり方・すすめ方  8.協働意欲を高める リーダーの援助指導 のあり方・すすめ方

校内研修評価の段階

9.研究推進における 形成的評価 のあり方・すすめ方 10.研修推進の各段階における 総括的評価 のあり方・すすめ方 11. 次年度に生かす評価結果活用 のあり方・すすめ方

    以下,その試案内容と解説を載せる。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。