研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -005/137page
研究課題を生かして共通理解を図りながら研究主題を設定するにはどうすればよいか。 □限定された研修課題をもとに研究主題を設定する。 【3】限定された研修課題を吟味し研修のねらい,内容,方法を焦点化して研究主題を設定する。 ○限定された研修課題の到達点を具体的にイ メージ化して,予想される困難点にでき得る 限り対処できるような具体的な方策を想定し て研究主題を設定する。
※学校規模によっては,現職教育委員会等で 校内研修の組織形態を検討して推進するよう にする。○研究主題の表現は,研究の意図が十分表出されるように簡明適切にする。 □研究主題の共有化を図る。 【4】研究主題の推進計画や達成状況を想定して共有化を図る。 ○主題研究の全体構想,推進計画,達成状況, 研修組織等を想定して,研究主題の共有化を 図り,自発的に校内研修を推進していこうと するモラールを高めていくようにする。 □研究主題と個人研修との関連を確認する。 【5】主題研究の推進に個人研修を関連づける。 ○主題研究の全体的な見通しに位置づけて, 個人研修が,直接的に,あるいは,間接的に, 有効に機能していくようにする。 < 解 説 >
○ 昨年度の調査研究の結果では,「校内研修の主題や内容を決める協議会に,あなたはどのように参 加していますか」という問いに対して,最も期待される「反省資料を準備し積極的に話し合う」に府答 したのは,小・中・高校ともに少数で,参加意欲の低さが浮きぼりになった。
その要因としては,校内研修の主題や内容を決める研究協議会に対する重要性の認識不足や研究協働態勢の不十分さ,研究主題設定までの手順・内容の不明確さ等があると考えられる。
○ そこで,このような現状実態を改善するためには,ア、研究協議会そのもののすすめ方の工夫改善 イ、協議会への自己啓発的な参加意欲を高める方策の具体化,ウ、共同研究に対する全職員の協働態勢 の確立,エ、研究主題を設定する際の手順・内容等の明確化と共通理解などの方策が必要であろうと思 われる。中でもエは校内研修推進の計画段階においては最も重要であると考え,「研修課題を生かした 研究主題の設定の仕方。について具体化してみた。
○ 試案では,ア、すでに設定された研修課題について必要度や重要度の観点から比較検討し順序性を つけること。イ、児童生徒・教師のニーズやその他の諸条件を考慮して研修深遠を1つに限定すること。 ウ、限定された研修課題の到達点や研修内容・方法等を焦点化して研究主題を設定すること。エ、研究 主題の推進計画や達成状況等を想定して全職員の共有化を図ること。オ、研究主題と個人研修とを関連 づけ主題研究の推進に位置づけること。
○ 研究主題の設定は,前の試案である「研修課題の集約の仕方」と密接に結びついていることを十分 配慮することが大切である。また,上記のような手順をふむことによって,研究協議会のすすめ方を理 解すると共に全職員の参加意欲を高め,協働態勢確立を図っていくことが大切である。