研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -007/137page
口研修組織の原案を検討する。 【6】提示された研修組織の組織区と係配当の問題点を吟味する。 ○個人の要望をもとに研修組織の原案を再検 討し,組織図の変更に迫られた場合には【2】に 戻って更に検討を加える。
※主として現職教育委員会等で検討する。□吟味した研修組織の共通理解を図る。 【7】全体研究協議会等で吟味した研修組織について共通理解を図る。 ○共通理解を図るために次のことを配慮する。
- 自由に意見を出し合える雰囲気をつくり 十分に話し合う。
- 原案に対する意見を十分に聴取し,現職 教育委員会等で十分検討し,個人の希望 をできるだけ考慮してきたことを説明する。
< 解 説 >
○ 昨年度の調査研究では,研修組織をつくるのに,十分配慮をした手続きをふまえていないので,現 職研修を推進していくうえで,研修組織が十分には機能していないことが明らかとなった。
その要因としては,校内研修のねらい,内容,方法に合った研修組織を構想することが不十分であったこと,自己啓発に基づく研修意欲がいっそう高まるように,教師一人ひとりの要望や特性を考慮することが十分でなかったこと,協働態勢を作り意欲的に校内研修に取り組めるような研修分担の明確さが不十分であったこと等が考えられる。
○ 自己啓発に支えられた校内研修を推進していくためには,「研修意欲を促す研修組織のあり方」を 明らかにしておくことが必要であると考え,次のような試案内容をまとめた。自校化して活用したい。
ア、研修組織の改善点を明確にするのに,実態への適合性,協力の態勢,リーダーの役割り,分担内容の具体性等について,全職員から反省点を集約すること。イ、校内の研修組織図をつくるのに,集約された反省事項をもとに,必要性や実態を考慮して,研究主題に適合した研修組織図を構想すること,ウ、教師一人ひとりの希望を集約するのに,適性についての自己評価をもとにしながら,研究教科,年齢,性別,特技等を幅広くとらえて,分担領域を具体的に集約すること,エ、個人の希望や特性を考慮するのに,必要に応じて個人との話し合いを大切にしながら,校長,教頭,現職教育委員会等の立場から全体的に考えて配置すること。オ、研修組織の原案を提示するとき,校務分掌全体との関係,学校の実態,一人ひとりのニーズ,リーダーの適切な配置,有効に機能しやすい組織等を十分に説明して,十分な理解を共通に求めること。カ、研修組織の原案を検討するとき,個人の要望が十分生かし切れない場合は,現職研修委員会等で組織図と係配当を再検討すること。キ、研修組織の共通理解を図るとき,自由な雰囲気で十分に意見を聴取し個人の希望をできるだけ考慮して決定すること。
(4) 到達目標達成までの過程が明確な年間推進計画の作り方
課題 改善の方向 改善の具体策 配慮事項
問題点
到達目標達成までの推進計画が不明確である。 □推進計画を反 省する。 【1】これまでの年間推進計画を反 省して問題点を集約する。 ○到達目標達成までの過程をふまえて反省し 問題点を集約して年間推進計画改善の方向を 具体化する。
(年間推進計画反省の視点)