研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -010/137page
実
施
期
(2)事例研究を実施する。
《1》事前研究を行う。
○事例研究主題の検討と決定
○事前調査と問題点の分析
○問題点の所在の明確化
○事例の収集と整理・分析《2》事例発表を行う。
○事例発表と共通理解
○解決方策の検討と指導方針の策定
○指導方法の検討と役割の分担《3》事後研究を行う。
○指導記録の整理と分析
○指導結果の話し合いと確認
○事後指導の記録累積と活用(担任)
↓
(学年)
↓
(分担者)
↓
(授業者)
↓
(学年・教科)
↓
全体協議会
○研究成果の発表 3.12 《1》〜《3》を推進する。
《1》研究課題を集約する。 《2》研究主題を設定する。
《3》研修組織を作成する。
現職教育部
現職教育委員会全体研究協議会
< 解 説 >
○ 昨年度の調査結果を,自己啓発を促す組織体制,意識態勢,企画運営等から全体的にみて,到達目 標達成までの過程や,研修の成果が効率的に累積される年間の推進計画が不明確であることが明らか となった。
その要因としては,どのような内容をどのような手順で年間推進計画を作ればよいのかがあいまいであったこと等が考えられる。
○ 自己啓発に支えられた校内研修を年間を通して推進していくためには,「到達目標達成までの過程 が明確な年間推進計画の作り方」を明らかにしておくことが必要であると考え,次のような試案内容 をまとめた。年間推進計画は,自校の実態に適合させて作ることが特に重要なので十分に留意したい。
ア、推進計画の反省を,ニーズを集約して研修課題を限定したか,課題を焦点化して研究主題を設 定したか,希望・適性を生かして研修組織を作ったか,研究主題を具体化して到達目標を焦点化した か,達成方法を工夫して研究仮説を焦点化したか,研究概要を明確にして研究内容を構想したか,達 成方法を具体化して研究方法を考えたか,研修時間を確保できる研究日程を組織したか。研究仮説を 検証する授業研究であったか・研究記録を累積したか,達成過程を評価する評価計画であったか,研 究成果を活用したか等の視点から具体化すること。イ、目標が具現された姿を明確にしておくこと。ウ、目標達成までの全体構想を策定しておくこと。エ、現職研修委員会等で自校の年間推進計画の原 案を作成し,全員で検討し確定すること。オ、年間推進計画を教育計画全体の中に位置づけること。
○ 別表として例示した「到達目標達成までの過程が明確な年間推進計画」の内容,手順,担当等は, 自校の実態に適合させて取捨し,無理のない校内研修を推進していくことが大切である。その場合, 自己啓発を促しながら校内研修が推進されていくような配慮を特に留意するようにしたい。