研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -016/137page

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【9】児童・生徒の変容をみるため の事前テストを実施しておく。 【1】本時授業を通して授業仮説の検証をする。 【2】検証計画による授業観察・記録の収集を行う。

○本時のねらいや本時授業仮説にかかわるテ スト(自作)をしておく。検証授業後の変容 データが得られるよう適切な統計処理法(S P表の活用等)を工夫しておくことも考慮し ておきたい。

○なお,上記【5】〜【9】は前・後して推進するこ とも可能である。

 

「本時研究」

□検証授業として本時を実施する。

 

○授業実施者は,先に学年部会・教科部会・ 全体研究協議会等で作成した学習指導案にも づき,授業仮説の効果が測られるよう配慮し て授業を展開するよう心がける。

○授業観察・記録についても,授業仮説の効 果の測定に焦点をあてメモするようにする。 例えば,一般的な「抽出児反応行動記録法」 においても(仮説や本時の意図によって授業 観察の視点は変わってくるが),仮説として の教師の働きかけに対して児童生徒の反応効 果,つまずきと予想外の反応,変容動向等視 点を明確にして記録するよう配慮する。必要 ならば,「授業観察・記録のしかた」につい て,事前研修として位置づけ実施することも考慮する。

 

 

「事後研究」

□授業仮説の効果の検討・まとめをするとともに, 改善策を作成する。

 

【1】児童・生徒に対して事後テス トを実施し,変容を調べる。

○事後テスト(自作)は,事前テストの再テ ストから(のび率・有効度指数・諸検定等) 考察することも可能であるが,授業仮説によ っては,必ずしも「指導内容到達度評価」と は限らない。児童生徒の記録ノート・完成作 品分析・自己評価表・事後アンケート調査等 から,その変容を調べることも必要である。

 

【2】授業観察記録 の整理・診断とそのまとめをする。

○まず分担記録者各自が,記録内容から授業 仮説の効果(分担内容はどうであったか,ど の点は改善され効果的であったか,どの点が 新たな手だてが必要か等)について珍断・ま とめをし,全体研究協議会に提出する準備を する。

 

【3】全員による事 後研究会を実施 し,変容動向, 到達状況・今回 の授業研究テー マにかかわる改 善策等を検討し 合い,授業仮説 の有効性をまとめる。

○各分担記録から提示された「観察・記録 まとめ内容」をもとに全体研究協議会で検討 整理・まとめをする。この段階で特に留意し たい点は,司会進行にあたって,ア.あくま で授業仮説の有効性に焦点をあてまとめてい くこと,イ.全員が共有化できるよう,数多 くの意見を出させ集約してまとめていくこと. ウ.今回の授業研究の成果を確認するととも に,その成果を学校として(個人として)ど う活用していくかを中心にしてまとめていく こと,である。

 


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