研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -017/137page
【4】次回の授業研究会への見通し (計画)について話し合い,共通理解する。
○自校の「年間推進計画」に基づき,上記 「授業研究のあり方・すすめ方」により実施 することを予告し,その準備をどうするか, 具体化して終了する。
< 解 説 >
○ 各校においての研究推進は授業研究が中心である。年間計画に位置づけられ,自校研究主題に基づ いて実施されている現状である。しかし問題点として,予備調査においても昨年度の調査研究結果にお いても「学年部会・教科部会あるいは全員参加で授業研究は実施しているが,授業研究結果が日常の指 導と直結せず自分の授業の質的改善向上にあまり役立たない。そのために充実感も薄い」があげられて いる。これは,授業の質的改善を図る授業研究のあり方が確立されていないことや授業研究内容の共有 化を図る授業研究のすすめ方が不明確なこと,そのために授業研究がマンネリ化し研修意欲も低調にな ること等が要因として考えられるのである。そこでここでは,上記問題点の改善充実を図る授業研究 のあり方・すすめ方を考えてみた。
○ 最もポイントとしておさえていきたいことは,ア.今回の授業研究は何のために実施するのか,そ のねらいと授業研究テーマの共通理解,イ.今回の授業研究のねらいにかかわる実態・問題点の把握と 解決・改善策(本時授業仮説)の共有化,ウ.参加者全員による検証指導案の作成と準備,エ.検証授 業としての本時の実施と検証計画による授業観察,記録の収集,オ.授業仮説の効果の検討会としての 事後研究の実施と成果の活用のしかた・改善案の策定,カ.次回の授業研究会への見通しと準備の具体 化等の手順をふんだ実施である。ここではその具体内容と配慮事項を例示してみた。この「あり方 ・すすめ方。実は,スクールフォーカスト研修(自校の学校課題に焦点をあて,その解決改善のために 授業を中心としてあらゆる方策を考え出し,全員協働で推進される校内研修)としての授業研究,先生 方各自の授業に直接役に立ち,質的改善にも結びつく授業研究をめざして作成したものである。推進に は時間がかかり大変かもしれない。しかし,授業研究のねらいを明確にして,事前研究〜本時研究〜事 後研究を積み重ねていってこそ所期の目的が得られる授業研究になるものと考えるのである。
(7)研究主題到達までの資料の収集・活用のあり方・すすめ方
課題 改善の方向 改善の具体策 配慮事項
問題点
校内研修推進過程における研修資料の収集・活用が不十分である。
□研修の計画段階における資料収集・活用のし方を工夫する。
【1】研修課題を集約し明確化する ために必要な資料を収集し,適 切に活用する。
○研修課題を明確化するために,次のような 資料を収集する。
昨年度の学校日誌,週番日誌,学校経営・教育課程・校内研修・教育活動全般等の評価・反省記録,学年・学級経営誌,生徒指導の記録,児童生徒の学力・健康等の記録,学校行事の反省記録,教師・児童生徒等の研修課題,保護者等の要望 等
○上掲の資料から,学校課題(今年度の重点目標・努力事項)に照らして資料 を選択し,次のような問題点等を集約する。