研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -022/137page

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<  解 説  >

○ 昨年度の調査研究の結果では,「あなたは,研究資料をどう収集し,どう活用していますか」とい う問いに対して,小・中・高校の回答者の過半数が「係からの提供資料をつづり,必要なときに活用」 と回答しており,自ら主体的に「実録反省や研修記録等を残し,指導や評価に生かそうと努力」する態 度は極めて少なかった。その要因としては,資料の収集・活用についての意識の低さや具体的な収集, 活用方法等の理解不足などがあると考えられる。

○ そこで,このような現状実態を改善するために,ア.校内研修を推進する過程で,各段階において は,何のために,どんな資料を収集する必要があるのか,イ・収集した資料は活用するために,どのよ うな観点からどんな事項(要素)を取り出し,目的に応じた検討資料を作成して,どう活用していった らよいのか,の基本的な視点から「研究主題到達までの資料の収集・活用のあり方・すすめ方」を具体 化してみた。

○ 試案では,ア.校内研修推進の各段階ごとに収集必要と考えられる資料名を具体的にあげ,各学校 の実態や研究内容に応じて取捨選択できるようにした。イ.校内研修に役立てる資料という観点から, いわゆる文献,記録・評価・各種調査データーなど,特に分類せず一括して資料としてあげた。ウ.資 料の活用法については各校により若干の相違はあろうが,活用の手順,観点,場などを具体例として示 した。エ.資料の整理,管理は評価段階の後に入れたが,本来は各段階どとに実施することが望ましい。

○ 校内研修の効果を高め・充実した研修を維持するためには資料は不可欠のものであり,必要資料の 収集・活用の意味は極めて重要であると考える。この試案は,各試案と密接な関連を持っているので 実技にあたっては併用して活用されることを望む。

(8)協働意欲を高めるリーダーの援助指導のあり方・すすめ方

課題 改善の方向 改善の具体策 配慮事項

校内研修推進におけるリーダーのあり方や具体的な援助指導の内容・方法が不明確なため協働意欲が十分に高まらない。

 

□組織集団及び 成員各個人の協 働意欲の実態把 握をするととも に,リーダーと してのかかわる べき方向・態度 を確立する。

 

【1】校内研修に対する協働意欲の 実態を調査し現状における問題 点や全体傾向を理解する。

 

○まず現状理解から出発したい。リーダーは 自校組織集団のモラール(協働意欲)の全体 傾向や問題点を把握しておく必要があろう。 そのために実態調査の設問づくりは,設問作 成委員会等を設置し,十分協議のうえ現状が 浮きぼりされるよう考慮して作成したい。

 例えば,「自己啓発」の観点からみれば, 次のような方向が考えられる。(例示)

  • ア、研修会においては,各個人が自由な発言・発表ができるふんい気であるかどうか(その度合いは)
  • イ、職場(職員室等)に研究的な話題が満ちているかどうか(その度合いは)
  • ウ、チームワークがとれ,研修が円滑に進められているかどうか(その度合いは) 
  • エ、組織成員間にねたみや反目・対立関係はないかどうか(その度合いは)
  • オ、研修推進上,相談できる人がいるかどうか(その度合いは)

 


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