研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -031/137page

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<  解 説  >

○ 昨年度の調査研究で各校にもとめた問い「あなたの学校では,校内研究の評価結果をどのように活 用していますか。」に対して,「現職研修(研究)委員会がまとめた評価結果の資料を利用している。」 という評価結果資料の利用が多く,また「学期ごとに評価し,学年末に総合評価を行い,次年度に活用 している。」という学年末,学期末の評価に終わっていることがうかがえ,各自の指導に生かすところ まではいたっていないのではないかと思われた。評価は研修や指導,活動と一体にして考えていかなけ ればならないものであるが,どうしても評価がおろそかになりがちである。これは評価に対する組織的 な取り組みが余りおこなわれていないことや,評価は学期末,学年末にしても間に合うという意識があ ったり,学校の実態にあった評価の研究が不足しているためではないかと考えられた。これらを改善す るためには,評価を活用し合う態勢を意図的につくること。学校の実状にあった目標に対する評価の視 点を明確にすることが必要であると思われた。

○ 試案内容は,到達目標達成までの研究推進の形成的評価の内容・方法が不明確なので形成的評価が 不十分であると考えられることから,到達目標達成までの形成的評価の内容・方法はどうあったらよい かについて具体的に示したものである。改善の具体策としては計画段階,実施段階での形成的評価の内 容・方法を明確にした。計画段階では,研修課題の設定のための問題点の集約から仮説の設定まで。実 施段階では,研究仮説をふまえた授業仮説の設定から検証授業と授業仮説の有効性を検討するところま での形成的評価の内容・方法について述べた。これらの形成的評価の内容・方法は.研究の進め方やそ のポイントをつかむための参考にもできよう。そして,教師一人ひとりが研究の進め方を理解し,いま まで以上に研究推進について共有化が図られ,研修組織全体の相互啓発がいっそう高まるように期待し ている。

(10)研修推進の各段階における総括的評価のあり方・すすめ方

課題 改善の方向 改善の具体策 配慮事項

問題点

計画・実施・評価各段階における総括的評価の内容や方法が適切でないために研修推進や研究の進展が不十分である。

 

□研修推進の各段階における総括的評価の概要をまとめる。

 

【1】これまでの総括的評価につい ての見直し,内容・方法などに ついて検討を加える。 ○前年度までの評価の内容,方法をもとに改善すべき事項を確認する。
  • 実施の時期 ・評価の観点
  • 評価計画作成の方法 
  • 評価実施の方法(集計,考察等を含む)
  • 結果の生かし方   等 

○前年度までの研究の成果や研修推進上の反 省等も参考にする。

○総括的評価の立案は研修計画の作成と併行 して行うようにし,前年度未までに横要をま とめておくのが望ましい。 

【2】研修推進の各段階に対応させ て自校の総括的評価計画の方向を考える。

○計画,実施,評価の各段階のそれぞれにつ いて研修推進上重要な部分や上記の検討内容 などから総括的評価の計画について考える。 

○立案に当たっては研修主任を中心に現職研 修委員会などで話し合い,必要に応じて校長,


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