研究紀要第74号 「学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究 第2年次」 -041/137page
4.第二年次研究のまとめ(反省と次年度の見通し)
○ ようやく「自己啓発を促す校内研修のあり方 ・すすめ方」の試案がまとまった。予備調査, そして,第一年次の調査研究結果から,現在各 校で最も改善充実を図る必要があると思われる 11の問題点について,各先生方の自己啓発を促 すための意識態勢・組織体制・企画運営はどう あったらよいかに視点をあてた校内研修のあり 方・すすめ方試案である。
○ 本研究主題を「自己啓発を促す校内研修のあ り方・すすめ方」とした。それは,県下各校で は現在どの学校でも主題研究をしているが.各 校の個々の先生方が,課題意識や必要感を自覚 し,協働態勢の中でやりがいを感じ,意欲的に 推進しない限り所期の目的は達成できないので はないか。校内研修の成果をあげる最も中核と なる推進上の配慮は,各先生方の自己啓発をど う図っていくかにあると考えたからである。
○ そこで本試案内容では,自己啓発を促す要素 として,ア.個人のニーズを生かすこと,イ. 研修課題を生かすこと,ウ.研修意欲をつくる こと,エ.推進の到達目標を明らかにすること オ.活動の内容と方法を明らかにすること,カ. 推進過程を明確にすること,キ.時間を確保す ること,ク.協働態勢をつくること,ケ.リー ダーシップを発揮すること,コ.資料の活用を 工夫すること,サ.形成的評価・総括的評価を しながら進めること,シ.次回や次年度に成果 を生かすこと等を取り上げ,各絞の校内研修の 推進過程(計画の段階―実施の段階―評価の段 階)で,どのような内容・方法で実技していけ ばよいかを考えてみたのである。
○ 具体的に各試案には,問題点と課題が述べら れ,そのことに対する改善の方向と改善の具体 策をあげ,配慮事項として,どんな手順・内容 ・方法ですすめていったらよいか,例示しなが らまとめられている。各校においては,まず, 「課題」にあげられている内容を自校の現状実 態と比較検討していただきたい。そして,自校 で現在必要と思われるものをとりあげ,ご活用 願えればと思う。活用においては<解説>を読 んでいただきたい。解説では,各項目の作成意 図やねらうところ,そして活用のしかた等が述 べられている。各校現場ですぐに使用できるよ うに配慮したつもりであるがどうであろうか。
○ さてこの試案はまだ完成したものではない。 次年度は研究協力校(小学校2,中学校2,高 等学校1)で実際に使用していただき,実践報 告を集約吟味しながら,より現場的に修正して いく計画である。その過程でまた新たな自己啓 発を促す視点が生まれ,あり方・すすめ方案が 必要になるだろうと考えている。本年度は,当 学校経営部試案をそのまま掲載してみた。 従って,「自己啓発を促す校内研修のあり方・ すすめ方」案として.間題点も多々あろうと 思う。各位からのご批正,ご意見をもとに,よ りよいものにつくりあげていこうと考えている のでど指導をよろしくお願いしたい。
<学校経営部プロジェクト研究メンバー>
近藤 博之
三津問安宏
鹿島 清
小島 長三
吉田 正夫
斎藤 洋一
菅野 由信・本田 孝
・林 功・印は前任者