研究紀要第75号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -047/137page
II 小学校国語科における実践研究
1.国語科における研究の仮説
(1)「基礎・基本」,「個性」とそのかかわりについて
小学校国語科の実践の中で,基礎・基本と個性,そしてそれらのかかわりについて次のように考えた。基礎・基本は,基礎的・基本的な内容とし,その内容を下図のようなとらえ方をした。個性は,「よさ」ととらえ,学習指導の中で「よさ」を生かす考え方を下図のようにした。
基礎的・基本的な内容が定着し,児童一人一人の「よさ」が生かされ,育てられていく過程においてジェクタビリティ(判断力,表現力,創造力,思考力等の能力)が深くかかわりを持つと考える。
つまり,基礎的・基本的な内容の定着を図る過程において,「よさ」を生かし,意識化させる場を設 定すれば,ジェクタビリティが刺激され,それぞれが相互に作用し合うことによって,基礎的・基本的 な内容の定着が図られ,「よさ」が伸ばされ,育てられていくものと考える。
(2)研究の仮説
小学校国語科において,「基礎的・基本的な内容」と「よさ」を以上のようにとらえ,研究の仮説を 次のように設定した。
国語科学習指導において,児童一人一人の持っている「よさ」を把握し,学習内容とのかかわりで教材に対する見方や考え方,興味・関心を生かす指導の在り方を工夫すれば,自分なりの「よさ」が意識され,さらに「よさ」が生かされることにより基礎的・基本的な内容を身につけさせるとともに,一人一人の「よさ」を伸ばし,育てることができるであろう。