研究紀要第75号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -085/137page
(2)小集団学習と課題解決
小集団学習を,課題解決の過程の主に解決の見通し及び課題解決の段階に取り入れてきた。小集団学習が課題解決にどのように作用したかについて述べる。
課題については,多様な考えが出せるように, どの課題も2通り以上考えられるようにした。 図4−3 から 図4−6 までは,学習状況カードの各 項目を分析し集計したものである。
《1》 課題解決に対する班の活動
ここでは,自分では解決方法が見つけられなか った生徒に対する班のはたらきかけについて, 図 4−3 を基に考えてみる。
個人では考えをあまり出せなかった生徒も,時 限を追うどとに班での活動によって考え方が見つ かった生徒の数が増えてきている。このことと, 次ページの 図4−4,図4−5 を併せて考えると, 課題に対して自分なりの考えができるようになっ てきた。それと同時に,個人では1つの解決方法 しか持てなかった生徒が,班活動によって2つの 解決方法が持てるようになり,さらに2つの解決 方法が持てた生徒は3つの解決方法が持てるよう になるなど,解決方法の糸口をつかむための班学 習から多様な考えを生み出す班学習へと変わって きたことがうかがえる。
< 図4−3 > 値と班での考え方の数の関係
(例)1 → 2は個人での考え方が1通りであるが、班で話し合った結果,2通りの考え方ができた。