研究紀要第79号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第3年次」 -038/135page

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2.図画工作科実践研究における構想
 実践研究にあたって,実践の方策とその具体化の方向と手だてを下記の表のように考えた。そして,研究の全体を右のように構想した。

実践への方策

実践への具体化の方向と手だて
○児童一人一人の持っている「よさ」の把握 ・児童の人格形成にかかわる観点からの「よさ」の調査
・児童の図画工作科の学習にかかわる観点からの「よさ」の調査
・児童の図画工作科学習における題材別の観点からの「よさ」の調査
・「想像して描く」の表現の各段階の観点による児童の製作に対する意識調査
・「表現遊び」の授業観察による学級・児童の概観と活動を通した「よさ」の把握
○児童一人一人の表現の題材に対する見方や感じ方を基に ・題材の目標を理解し,鑑賞・表現の活動では自分なりの見方や感じ方を大切にしながら,その観点と感性の「よさ」を生かす。
○造形性・構想への思考を生かす指導の在り方の工夫 ・鑑賞・表現の活動によって造形性を理解し,自分なりの表現意図を持って構想を練らせる。
・「ひらめきカード」の活用
○創造性への意識を生かす指導の在り方の工夫 ・発想から完成までの各段階において個々の表現意図を明確にし,自分なりのアイディアを生かす。
・座席表を活用した意図的指名
・学習形態の工夫
○自分なりの「よさ」の意識化 ・鑑賞・表現の活動の各段階での評価
◇観点別による自己評価と相互評価
◇教師の評価と指導
・「発展カード」の活用
○表現・鑑賞の基礎的・基本的な内容を身につけさせる指導の工夫 ・児童一人一人の感性や表現特性を生かした学習内容の定着
・鑑賞教材,「学習の手引」,「表現の手引」を活用した材料や用具の扱い等の定着
○一人一人の「よさ」を伸ばし,育てる指導の在り方 ・教材の持つ価値の理解
・各種カードの多角的,・継続的活用
・班活動による「よさ」の認め合いと意識化
・「よさ」を生かす賞賛と励ましの指導
・「児童個人カルテ」の活用


【図画工作科における実践研究の内容】
 実践研究の構想では,研究仮説を受けて,児童の全人的な「よさ」の把握と指導内容の分析を行うようにした。そして,把握した「よさ」と指導の観点を基に,「よさ」を生かす指導,「よさ」の意識化の指導,「よさ」を伸ばす指導の各段階に効果的な手だてを組み入れるようにした。その内容を40ページから46ページにかけて示した。
 また,研究テーマとの関連から,新学習指導要領の趣旨を生かして実践にあたった。

(1)「よさ」を把握し.生かす指導
 「よさ」の事前把握としてのアンケート調査と「表現遊び」の実施により児童の特性を探るようにした。児童の特性に応じた「よさ」を生かすために,表現の材料や用具の選択に幅を持たせるように計画した。また,学習過程では,児童の見方や感じ方の「よさ」を生かすために,「ひらめきカード」(発想・構想)を活用させるとともに,各段階に自分なりの意図を発表する場を設定するようにした。これは主として,44ページに示した。

【研究の構想】
【研究の構想】

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