研究紀要第79号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第3年次」 -042/135page
彩色段階における指導過程(7・8時間目)
◎本時の目標
・児童どうしの絵の彩色過程と活動の観察を通して彩色の色あいの感覚や造形性の多様さに気づかせ.自分の計画に生かして画面を効果的に表すことができるようにさせる。(基礎的・基本的な内容)
・児童相互の評価によってお互いの彩色の工夫や色あいの計画の「よさ」を認め合わせ,生かすことができるようにさせる。(よさ)
主な学習内容・活動 時間 学習形態 基礎的・基本的な内容の定着 ジェクタビリティ 「よさ」を生かす指導(教師) 「よさ」を生かす活動(児童) 指導上の留意点・評価 1.本時の学習内容と目標を理解する 2 一斉 「学習の手引」「表現の手引」を活用して表現の基礎的・基本的な内容の定着を図る グループでお互いの絵を観察し.多様な色彩の感覚と造形性に気づかせる。多くの色彩感覚と創意工夫の仕方を知る ことは,創造力を刺激しジェクタビリティが高まる <ひらめきカード>とくホップステップカード>の返却 〔準備〕:教師
「学習の手引」「表現の手引」「ジャンプカード」「ひらめきカード」座席表.絵画の支持体(紙4種),試し紙.彩色用具,ドライヤー :児童
ファイル,鉛筆(3B).絵画用具,「学習の手引」, 「表現の手引」2.彩色段階におけるお互いの多様な感覚と造形性の違いを理解し,「よさ」を認め合って彩色に生かす (1)表現の意図がよく分かり,自分なりの見通しを持って手際よく彩色している児童の発表と教師の評価を聞く 8 一斉 造形性について理解する
・主題の表出・「もの」の位置や大きさとバランス ・表したいことを強く表すための「もの」の形や色あい
・奥行きと立体感を表すための「もの」の遠近 と明暗<座席表>の活用
・表現の意図,製作の見通し等の「よさ」が表れている児童に発表させてほめる友達と教師の話を聞いて参考にする (2)班の中でお互いの製作中の絵を提示し「表現の手引」の技法の工夫について発表し合う 8 グル|プ <座席表>の活用
・机間指導により観察の観点や意見の「よさ」と表現の意図や彩色の手順の「よさ」の特性を累積する友達の作品の色あいや技法の「よさ」を見つけて話し合う 評価:活動と発言の様子
・表現意図と見通しを発表しているか
・色あいや技法についての内容であるか(3)<ジャンプカード>を活用し.グループの友達の彩色の仕方,色あい,主題表出の工夫の「よさ」を書いて交換する 7 グル|プ <ジャンプカード>の配布 <ジャンプカード>の活用
・カードに友達の「よさ」を記入して交換し「よさ」を認め合う。
・自分の「よさ」を意識し,友達から認められた「よさ」を製作に生かす評価:活動の様子
・真剣に友人の「よさ」を見つけて書いているか3.<ひらめきカード>を活用し,自分の表したいことを確かめながら.自分なりの表現特性と新たに気づいた技法や「よさ」を生かして彩色を進める 20 個別 「表現の手引」
・彩色の技法を参考にし既習の技法と新しい技法で彩色する自分の構想を基に新たに気づいた彩色の方法や配色の「よさ」を生かして彩色することには,表現効果への考察が伴う。この活動によって思考力と表現力が刺激されジェクタビリティが高まる 「表現の手引」で自分の表したい方法を確認させる
【彩色活動中の指導内容】
・部分にとらわれないで,全体的な色あいの詞和を確かめながら描かせる。
・試し紙で色あいを確かめて彩色させる。
・描こうとしているものの固有色は,先入観にとらわれないようにさせる。
・固有色が周りや背景の色で感じが変わることを意識して描かせる・遠近や明暗は色の濃淡や色あい(明度,彩度の差)を意識させる。
・描こうとしているものの質感を表す工夫をさせる。
評価:活動の様子
・彩色に行き詰まり,つまずきはないか。
・主題を見失ってはいないか
・用具を効果的に使いこなしているか。
評価:回収した絵
・色あいや技法
・遠近や立体の表現
・主題の表出(休 憩) (25) (1)表したい感じが強く表れるように色あいを確かめながら描く 37 個別 「学習の手引」
・遠近・明暗を参考にして.遠近感,立体感を表出させる<座席表>の活用
・机間指導により彩色に自分なりの「よさ」を生かしている児童の特性を記録する
・個別指導とグル−プ指導における助言と励まし(2)材料や用具の性質を効果的に生かし既習の技法と自分で工夫した方法を基にして表現する 個別 「学習の手引」
・彩色と色あいを参考にして,意識していく色あいをまとめさせる
・中心になるものの色
・主調色(全体に多く使う色)4.独創的なアイディアで自分の「よさ」を生かしている児童の発表と教師の評価を聞く 8 一斉 <座席表>の活用
・意図的な指名によって「よさ」を生かしている児童に発表させる
・カードの回収により,<個人カルテ>に特性を記入する自分なりの「よさ」を生かし,独創的に表現している児童の話と教師の評価を聞く
参考になったことを仕上げの段階に生かす