研究紀要第79号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第3年次」 -044/135page

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3 「表現の手引」について
 「表現の手引」は,本題材の彩色の段階で用いる材料・用具,技法について簡単に説明したものであり,事前に実践した「表現遊び」でも有効に活用することができた。この手引を活用しながら,彩色段階での基礎的な技法や材料・用具の扱い等を学ばせようとするものである。

表 現 の 手 引

きり吹き
スプレー・・・
彩色するときの資料です。これらの特性を効果的に生かして
色をぬりましょう。
吹き流し
水彩絵の・・・
材料と用具
材料:描いたり手を加えたり加工したりするもの(紙,絵の具)
用具:材料を加工したり.ぬったり.くっつけたりする道具
こすり出し
表面がさ・・・
水性と油性
絵の具・色鉛筆・フェルトペンなどには.水性と油性のものがある。
水性は水でとかしたりうすめたりする。油性は水にとけないが,水性をぬったところでも.かわけばその上にかくことができる。
墨流し
大きめの・・・
透明と不透明絵の具
水彩絵の具には.透明と不透明のものがある。みんなは.ほとんど不透明を使っている。透明は.すきとおった感じで.ぬっても下の色や紙の白さ.そして,下にかいてある線などがすけて見える。
そめる
和紙など・・・
線で描く 線は形をかいたり.さかい目を決めたりするのに必要です。
また.面をそめるのにも線を使います。線といってもいろいろな感じの線があり.いろいろな用具と方法で表現できます。
色を消す 色をつ・・・
太い線・細い線/強い線・弱い線/かたい線・やわらかい線/するどい線・にぷい線/まっすぐな線・まがった線/こい線・うすい線/きれいなすっきりした線・にじんでぽけた線/勢いのある線・ゆっくりした線・神経質な線/実線・点線・波線・破線・かすれた線

線の表現のちがいで感じが変わります。ほかにも思いつくかもしれませんね。カッターやはさみや指で切ったものをはっても線になります。線を生かした絵もありますね。
色をつけない
ちょっと・・・
色をつける 色のついた線をかいたり.面に色をつけたりするのにもいろいろな用具や材料と方法があります。色をつけた紙をのりではるような場合には.かわかす必要も出てきます。
色を洗う
色をぬっ・・・
ぬる
色をつけようとするところに.考えた色を直接ぬってゆく方法
他のものを

切ってはる

別の紙・・・
混色
パレットや皿で色をまぜて思った色をつくってぬる方法
色をひっかく
ぬった水・・・
重色
色をぬった上にかさねて別の色をぬって.思った色を出す方法
描いてある
所にかく
色のぬっ・・・
にじみ
画用紙を水でしめらしたり,ぬらしたりしてから色をつける方法
立体・光とかげ
かたま・・・
ぼかし
ぬった色がかわかないうちに.色を別の筆でのばしたり水をつけた筆などでのばし.ぽかす方法 ☆ みんなで使う材料・・・


4 「ひらめきカード」について
 児童一人一人の製作活動に表現意図と見通しを持たせるために,「ひらめきカード」を活用させた。
 これには,児童の構想とアイディアスケッチを描かせ,絵を描くための要素と視点について理解させた。
 下図は,児童F.Sのものである。「ひらめきカード」の観点が,アイディアスケッチや完成作品に一貫して生かされていた。

ひらめきカード
ひらめきカード

アイディアスケッチ
アイディアスケッチ

F・Sは、「ひらめきカード」にアイディアスケッチを3枚描いた。構想は横画面だったが、作品は縦画面とした。(水彩、霧吹き併用)

作品

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