福島市立吾妻中学校教諭 佐々木 慶子・佐久間 民子
基礎・基本の定着という面で,今までの授業を振り返ってみると,小集団学習形態を取り入れての全員指名,全員満点を目指す書き取りテスト,大きい声量での反復口頭練習,暗記による読みテスト,積極的な挙手の励行などを子どもに課してきた。しかし,これは,文法事項と書くことに重点が片寄っており,どちらかというと教師主体の授業が展開されていたように思う。もう少し子どもの主体性を大切にするような英語指導の在り方はないものかと考えていたところ,ちょうど今回の研究テーマと出会い,よい機会を得ることができたと思っている。
このテーマに取り組むことにより,基礎・基本の定着のさせ方も,教師が一方的に教え込むよりも,そこに子どもたちの好みや選択を盛り込めば,子どもの自覚が高まり,基本的な要素を与えることにより,秩序のとれた自己表現ができるということを実践を通して学ぶことができた。
何よりもうれしかったことは,新たに取り入れた活動に対して,子どもたちが楽しそうに参加してくれたことであった。新しい対応,例えば表現特性や興味・関心に応じた小集団学習にもすぐに適応し,それらの活動が子どもたちの興味と集中力の増強につながったのではないかと思われる。
検証授業の最後に,興味・関心に応じたグループ活動に取り組んだ成果の発表の場があった。発表内容は単純であったかもしれないが,それぞれの生活や好み,更に子どもたちの持つ特性も考慮した活動で,全員参加のもとに行われた。日頃,学力不振と思われている子も,意外な実力を発揮してスムーズな言語活動が展開されたと思う。
それにしても,子どもたちの地力と受容性の高さには,驚かされた。そのすばらしさを自分の指導法のマンネリ化と研究不足からせばめてはいけないと改めて考えさせられた。このことが今回の研究を通しての大きな収穫であった。 |