研究紀要第80号 「情報活用能力の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -073/135page
データ,統計雑誌などから,児童一人一人が目的意識を持って,資料を収集・選択することができるようにする。
3 情報の処理
○学習の手びき,ヒントカードの活用
児童が自ら追究していく中で見られるつまずきなどに対して,解決方法のヒントとなる学習の手びきなどを教師が作成しておく。これらを利用して,すべての児童がデータを確実に処理できるようにする。
○パソコンの活用
パソコンから,学習目標を達成するためのヒントとなる情報を得て,自分なりに資料の区間を決めるなど,工夫して度数分布表や柱状グラフを作成できるようにする。また,自分でかいた度数分布表や柱状グラフを確かめるためにパソコンを活用する。
(3)情報活用能力の育成プロセス
第6学年算数科「資料の調べかた」の単元の目標と指導内容を基に,情報活用能力の育成プロセスを図2のように作成した。
図2 情報活用能力の育成プロセス
1 課題の把握
(ア)共通課題の提示
(野球用ボールの重さのデータから,ボール作りの名人を選ぶ)
[情報活用手段…重さのデータカード]
(イ)解決するための方法(既習事項)
・平均・数直線・百分率など
[情報活用手段…学習の手びき]
(ウ)解決するための方法(未習事項)
・代表値としての平均値・度数分布表
・柱状グラフ
2 解決へ結びつける情報活用
○自分たちの資料を処理し,統計的に考察するため,パソコンや学習カードから情報を引き出し,検討する。
[情報活用手段…パソコン・自作ソフト・学習の手びき]
3 情報の傾向や特徴の把握
○自分たちの資料の度数分布表や柱状グラフから散らばりの様子をとらえる。
[情報活用手段…パソコン・自作ソフト・学習の手びき]
4 新たな課題の設定
○更に自分たちの身近な情報を収集・選択・処理して,統計的に考察する。
[情報活用手段…パソコン・自作ソフト・市販ソフト・電卓]
2 研究実践の概要
(1)授業の概要
協力校では,テーマにせまるために「個別化学習」を中心に取り上げ研究実践している。本授業の展開も一斉授業ではなく,一人一人に応じた学習の形態をとった。