研究紀要第80号 「情報活用能力の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -080/135page

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  2.中学校における研究実践

「情報の処理と情報手段の操作能力」を高める実践例
    −数学科の授業を通して−


 本研究協力校は,情報活用能力の育成に関して2年間の継続研究を行っている。1年次は学級指導(進路指導)で実践を進め「情報手段の操作能力」等で成果を上げた。2年次は実践対象を変え数学科の授業を通して研究を進めることにした。なおパソコンの設置台数が少ないことから教育センターの情報施設を使用することにした。
1.実践計画の概要
(1)事前調査の結果
 評定尺度I及び評定尺度IIの事前調査結果は下図に示すように,C処理,G影響,H重要性,L操作の4要素が,他の要素と比較してやや下回っている。
図1 事前調査結果
       図1 事前調査結果

 C処理は,「調べたことがらを,分かりやすく,図や表にまとめていますか」の質問に対して,「2.あまりしていない」と答えた生徒が,約5割あり,かなり低くなっている。L操作は,「コンピュータを使うことができますか」の質問に対して,「2.ほとんどできない」,「1.まったくできない」を合わせて約4割となっている。
 これらのことから,数学科の学習指導では,特にC処理とL操作を取り上げ,「生徒が主体的に情報を処理する能力」及び,問題解決にコンピュータを活用するための「基本的な操作能力」の向上を図ること目指して研究を進めることにした。
(2)研究実践の構想
 1 研究の視点
 数学科の情報化への対応として,広義には「事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる」,狭義には「学習活動において,コンピュータ等を効果的に活用する」が上げられている。これらのことを踏まえ,授業実践では,生徒が学習情報を主体的に収集・選択・処理ができるような資料を準備し,「新しい学習に既得の学習情報を活用できるようにする」,「問題解決の道具としてコンピュータを使用させる」,「調べたことを図・表や式にまとめ発表させる」という一連の指導を継続的に行い,情報活用能力の育成を図ることを考えた。
 まず数学科の指導方針と研究の視点との関連を図り,施設・設備やソフトの開発などの諸条件を考慮して,図2のような研究実践計画をたてた。
図2 研究実践計画の概要
 図2 研究実践計画の概要

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