研究紀要第80号 「情報活用能力の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -081/135page

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 2 情報活用能力の育成プロセス
2 情報活用能力の育成プロセス
2.研究実践の概要
(1)情報活用能力育成の基本構想
1−(1)の結果と研究実践の構想,「コンピュータ・リテラシー」育成の観点及び,授業実践単元の特性から,要素A〜E,Lの6要素を育成するための授業を計画した。A〜Eの収集・選択・処理・創造・伝達は,一連の情報の処理過程と考え,特に,収集・選択・処理に力点をおいて研究実践を進めることにした。
 主な手だてとして,
 1主体的に既得学習情報を収集し整理させる。
 2既得学習情報を基礎として,それを適応させ新しい課題を解決させる。
 3コンピュータシミュレーションによる学習情報の効果的な提示を行う。
 4コンピュータシミュレーションを使った動的操作を通して得た情報から規則性を発見させる。
 5まとめたことを図や表に表し発表させる。
などである。また,L操作の機器及び学習ソフトの基本的な操作・活用など「コンピュータ・リテラシー」を高めることにも力を入れ実践に取り組んだ。
(2)授業実践単元
 コンピュータシミュレーションによる情報の提示や処理が効果的と思われる単元(「図形領域」の「円」)で実践することにした。
(3)各単元での取り組み
 下図3の各単元の中の小単元内容で,「円と直線,円周角」などでは,AからEまでの要素について手だてを講じ,情報の処理等の育成を図る。「2つの円」では,コンピュータの操作・活用を通して特に要素L操作の育成を図る。
小 単 元 内 容 時数

育成すべき内容

追 究 の 手 だ て 期待される児童の姿

C

D

E

準 備
テスト
概 論
1       ・準備テストを行い既得学習情報を確認させる。
・単元を通した課題意識の育成を図る。
準備テストにそって,既得学習情報の確認と整理を主体的に行い,その発展としての新単元の展開に移る。
1.円と直線               ・既得学習情報を整理させる。  
(1)円と直線 4   ・既得学習情報を新しい課題に適応させ課題を解決させる。
・コンピュータシミュレーションによる学習情報の提示を行い現象を理解させる.
既得情報を基礎としての,新情報の理解とその裏付けに努める。
シミュレーションにより動的かつ連続的に現象を理解する
(2)2つの円 2 ・シミュレーションの動的操作を通して得た情報を処理させ,その結果を発表させる。
・課題解決の道具として,コンピュータを活用させる。
自ら進んで.コンピュータを操作し,情報の収集とその選択及び処理をし,新情報の創造に努め,考察結果を的確に親
友たちに伝達する。
 図3 各単元での取り組み

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