研究紀要第80号 「情報活用能力の定着と個性の伸長に関する研究 第2年次」 -090/135page
(4)授業の展開
1 生徒一人に1台のパソコンを使用し, LAN(l∝al area network)を十分に活用して授業を展開した。 LANを使用することにより,指導した教師は,生徒各人の学習進度を把握しやすくなり,また,指導例を各自のディスプレイに示すことができたので,キー操作やソフト利用に関して生徒たちの理解は深まった。
2 評定尺度IIによる調査結果の低い生徒は,最初のうちはとまどいがちに操作していたが,第2日目後半からは様々な資料を引き出そうとする姿勢が現れて,表情も生き生きとしてきた。
3 評価が高く上位で安定している生徒は,早い段階から自主的に取り組む姿勢が見られ,情報の処理や新たなグラフ作成など自在に行おうと意欲的であった。
4 3日目に自分の作品を発表し合うことを目標において全員が積極的に活動した。はじめはとまどいがみられた生徒も,キー操作を交えながら自信をもって発表していた。
5 現代社会の授業で苦労して作った資料が,すぐにきれいにまとまっていくのでコンピュータの便利さに感心していた。
6 基本操作について特に悩むことはなく,うまくいかない時は,教師に質問するとか,友人同士教え合うなど学習意欲は高かった。生徒たちは昼休み時間も休まず意欲的に取り組んでいた。生徒たちの理解の早さ,意欲の高さには目を見張らせられた。
授業風景「え−と,日本経済の動向は・・・」
(5)授業のまとめ
1 生徒の作品から
高度経済成長斯の日本と世界
図4 生徒作品の例
2 生徒の感想文から
表計算ソフトの使い方をやることになって内心あまりよくは思っていませんでした。なぜならソフトを使うとその内容のことしかできなく,自分の好きなようにプログラムを変えることができなく,また家に帰ればソフトがないので何もできないと思ったからです。
実際に学んでみると,幅広く活用できることが分かりました。現代社会の授業であんなに苦労してまとめたグラフが簡単にきれいに作れるし,表計算ソフトには,まだいろいろな機能がついているので完全に使いこなせるようになるには時間がかかると思います。
今は,進学用のグラフや数学のグラフを作ることくらいしかできないけれど,将来会社に勤めた時にはこのようなソフトに出合うことは間違いないと思います。その時は今回習ったことを生かしていきたいと思います。このような機会にビジネスソフトと呼ばれるものに触れることができて本当によかったと思います。