研究紀要第83号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第4年次」 -043/123page
イ 「角度を測る」基礎技能を習熟させるための練習活動の設定
基礎的・基本的な内容の理解と定着を図る3,4,5時間目の学習において,達成度や学習速度に応じるために,プリントによる多様な練習活動を位置づけた。この学習により,教師は,着実な理解が求められる児童を個別指導する時間が確保でき学習内容の定着を図ることができた。また,学習プリントは内容を段階別に区分して作成してあるので,速やかに理解できる児童は発展的に学習できた。学習プリントを終了した児童は援助活動を行ない,それが児童相互の「よさ」を知ることにつながると考えた。
ウ 基礎的・基本的な内容と基礎技能をもとにした「宝島の課題」への再挑戦
分度器の扱いに習熱させたのち,再び「宝島の課題」に挑戦させた。
「宝のありかをさがそう」という大きな課題解決にむけて学習を進めてきた。児童は,この段階では,すでに大きな課題を解決できる方法を身につけているので,今度こそゴールに到着したいという意欲を持って課題に取り組んでいた。
下図は,「宝島の課題」への再挑戦を行ったY子のものである。ルートの一つ一つの良さを測り角度を測った跡がうかがえる。また,角度を測るのに短い長さの所は,線を延長して測っている。この子に見られるように多くの児童が,基礎的・基本的な内容を着実に活用し課題解決にむかうであろうとを予想した。
更に,この活動を通して分度器のよさを感じることができると考えた。