研究紀要第83号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第4年次」 -055/123page

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<5> 授業の流れ

事前
 「自分らしさ」について自由記述法でまとめさせる。[視点2]→集計し,「自分を見つめる視点」としてTP作成。
1時目 導入              |
 「自分を見つめる視点」の広がりをOHPで示し,ねらいとする価値への方向づけを図る。
展開前段               |
1 トットちゃんと泰明ちゃんが木に登っている絵を提示し,場面状況を予測させる。
2 予測を基に資料を読まる。
  ・範読・組み絵の提示・文章資料
3 トットちゃんと泰明ちゃんが木登りをするまでの経緯を確かめながら,トットちゃんのとった行動の問題点を明らかにさせる。
4 トットちゃんのとった行動について自分の考えをしっかり持たせる。[視点2]
  ・道徳シートの活用
1時目と2時目の間に         |
○ 「自分の考え」を「座席表」に整理し配布
○ 児童に「座席表」を基に意見交流の見通しを持たせる。
※ 教師は「座席表」を基に発問や意図的指名の構想を練る。
2時目の導入             |
1 問題状況の確認をさせる。 OHPにより前時板書の再提示をする。
2 トットちゃんのとった行動について意見交流をさせる。→ 推薦指名
  ・対話形式  ・グループ討議
3 意見交流で得た多様な考えを基により良い考えや理由づけについて話し合わせる。
・二人にとって「トットちゃんの木」に登ることはどんな意味をもっていたのか。
 ・トットちゃんらしさとは
 ・その人らしさとは    [視点3]
4 対話した相手やグループの友だちに「その子らしさ」を見つめて手紙を書かせる。→届けさせる。
5 「自分らしさ」を見つめ直させる。
 ・視点1.2.3を通して
 ・もらった手紙を読んで

4.道徳における実践内容

(1) 「その子らしさの把握と意識させる」について

 「その子らしさ」(当人にとっては「自分らしさ」)とは,本来,様々な生活経験や人間関係の中で少しずつ気づき発見し自覚していくものであろう。
 本研究では,「その子らしさ」を以下のような手だてで把握するとともに,次の意図的計画的な指導を通して,児童にも検討させ意識させようとした。
(1)「その子らしさ」を自分,親,教師の目を通してとらえる調査により把握し,児童にも意識させようとした。
(2)授業を構想する際,価値内容に関する意識調査を実施し,その子の見方や考え方を把握するとともに自分を見つめ直す具体的視点として意識させた。

<1> 「その子らしさ」をとらえる調査の実際

この調査では,「その子らしさ(自分らしさ)」を興味・関心,性向,認知の型,行動特性など全26の質問項目を通して多面的に調査し,把握すると同時に児童一人一人にも「自分らしさ」を自己診断させた。

 調査は,年度3回実施し自分を見つめる目の広がりと深さの変容に目を向けさせようとした。そのために,親と教師と児童の調査項目を共通にし,その結果を児童にも示して自分を見つめる際の資料とさせた。

 次ページに,調査の一部を示す。

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