研究紀要第83号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第4年次」 -056/123page

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【児童用】 この調査は,みなさんをもっとよく理解するために,みなさんの考えを書いてもらうものです。それぞれの項目の中で自分に合う文章ア・イ・ウ・エ・オのひとつに,○をつけなさい。26番までつけたら,最後に「自分らしさ」が最も表れていると思われる5つの項目を選び,番号に○をつけなさい。
F 小学校 5年1組 32番 児童氏名  K子
        ( )ア とてもだいたんなほうである。
        (○)イ どちらかといえば,だいたんなほうである。
<1>私は,( )ウ だいたんともひかえめともいえない。
        ( )エ どちらかといえば,ひかえめなほうである。
        ( )オ とてもひかえめなほうである。

【教師用】 この調査は,先生の学級の児童一人一人をもっとよく理解するために,先生の考えを書いてもらうものです。それぞれの項目の中で児童に合う文章ア・イ・ウ・エ・オのひとつに,○をつけてください。26番までつけたら,最後に「その子らしさ」が最も表れていると思われる5項目の番号に○をつけてくたさい。
F 小学校 5年1組 31番 児童氏名  Y子
        ( )ア とてもだいたんなほうである。
        ( )イ どちらかといえは,たいたんなほうである。
1 ○○は, ( )ウ だいたんともひかえめともいえない。
        (○)エ どちらかといえば,ひかえめなほうである。
        ( )オ とてもひかえめなほうである。

【父兄用】 これは,皆さんのお子さんの「よさ」をさらに広くとらえるための調査です。それそれの項目ア・イ・ウ・エ・オの中で,お子さんに当てはまると思われるものひとつに,○をつけてください。26番までつけたら,最後に「お子さんらしさ」が最も表れていると思われる項目五つを選び番号に○をつけてください。
F 小学校 5年1組 23番 児童氏名  S男
       ( )ア とてもだいたんなほうである。
       (○)イ どちらかといえは,たいたんなほうである。
1 お子  ( )ウ だいたんともひかえめともいえない。
 さんは, ( )エ どちらかといえば,ひかえめなほうである。
       ( )オ とてもひかえめなほうである。

<2> 価値内容に関するその子らしさをとらえ,意識させる調査の実際

 この調査は,授業の1〜2週間前に実施し,児童に授業で取り扱う価値内容に対するそれまでの考えを整理させる意図を持っ。そのことによって価値の内面的自覚をする際の具体的な比較視点を持たせたい。同時に,この調査は価値内容に関する学級実態を把握することができる。一人一人の考えを 座席表カルテに整理すると,発問研究や意図的指名により「その子らしさ」を生かす有力な資料ともなる。 ※児童の考えを座席表に記しカルテとして使用

「すれちがい」の授業では,次のような内容で調査をした。M男はそれまでの自分を以下のようにとらえている。これを[視点1]として意識させ授業に臨ませた。

○ あなたは,これまで友だちと意見がちがったり,ずれたりしたことがありはせんか。たくさんあるかもしれませんね。
  友だちとの間に「意見のくいちがい」がおきた時,あなたはどんなことを考えたり,どんな行動をとったりすることが多いですか。 下のらんに書いてください。
挿絵

(2) 「その子らしさを生かす」について

 児童は,資料に表された事実をとらえ,そこに含まれる問題状況を明確にした時,自分らしさを発揮して,どうしたらよいかを考え,よりよい方向づけを求める。
 その過程で表れるその子らしい見方や考え方を把握し,授業の中で適切に取り上げ検討させていく。

<1> 事実認識のさせ方の工夫

 資料に表された事実をとらえていく際,児童は自分の興味のある部分に強く反応して偏った見方をしてしまったり,自分の生活経験に引き寄せた都合のよい理解をしてしまったりすることが多い。また,末梢部分に固執して問題状況を明確にできないことも見られる。

 本研究では,まず構造的に事実関係をとらえさせ,その後,具体的な事実に目を向けさせていく資料提示の工夫をした。

《先行オーガナイザー法による資料提示》

 ○ 先行オーガナイザーとは

 これから学習しようとする内容についての情報が適切に構造づけられていると細部についても正確に意味づけられるという研究をさす。

 先行オーガナイザーは,普通短い「前置き文」の形で示されるが,ここでは,その形態を広げて提示しようとした。「大冒険」の実践例を次に述べる。

 まず,この資料を視覚的に理解させていくために,場面ごとの状況を4枚の「組み絵lとして制作した。授業では資料名と登場人物を紹介した後,最終場面を表す下の絵を提示し,場面状況を予想させた。

 児童は,資料名の「大冒険」とあまり高くない木に登っている二人を対比して「木に登ることがなぜ大冒険なのだろう」という疑問を持ったり,「木登りすることにはトットちゃん

挿絵 「大冒険」

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