研究紀要第83号 「基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究 第4年次」 -060/123page

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りにしていく。

 前述の「大冒険」の授業では,E男の考えが推薦指名され,対立する意見として取り上げらた。

写真 1
推薦され黒板に貼付されたた児童の磁石氏名板▲

(3) 「その子らしさを自覚させる」について

 これまで児童は,価値に対する意識調査や資料の問題状況に対する自分の考えの整理,意見交流などを通して多様な価値観と自分の考えを比較してきた。
 この段階では,それらをもとにそれまでの自分を見つめ直させ,価値内容を窓口に自分らしさの発見と自覚を促していく。

<1> より高い価値観の検討

 前述「大冒険」の授業では,意見交流のあとの話し合いで「トットちゃんらしさ」とはどんなところにあるのかを検討していった。児童は,とっぴとも無鉄砲とも見えるトットちゃんの言動の底に流れる「自分の心に正直に生きる」「内面的な心の豊かさ」に気づいていった。「その子らしさとは,表面に表れる言動とともに内面的なよさも大きな要素であることに着目したのである。

 これを「自分を見つめる視点3」として位置づけ,価値の内面的自覚の具体的視点とした。(下、板書の一部参照)

「板書の一部参照」

<2> 道徳シートの活用

 授業の展開後段にあたる価値の内面的自覚を,次の三つの視点をもとに促した。

○ 事前の価値に対する意識調査 [視点1]

○ 資料に表された問題状況に対する自分の考え [視点2]

○ 高められた価値観 [視点3]

 その際,視点1.視点2をとらえられやすいように道徳シートを工夫した。以下に「大冒険」のH子の事例を示す。

「大冒険」のH子の事例

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