研究紀要第84号 「授業におけるコンピューターの効果的な活用に関する研究 第1年次」 -087/123page
表3−12 「流通経済」の学習内容とコンピュータの機能との関連
内容(単元名)
学習内容とコンピュータ活用の場面・方法 主な活用目的
(注1)コンピュータの機能(注2) 検
計
測
シ
図
文
通
(1)流通経済の仕組みと商業活動
ア 経済生活と商業の役割
イ 流通の機能とその担当者
(2)流通活動と売買
ア 商品と流通経路
イ 小売業と卸売業
(3)流通活動と関連機関
ア 金融の機能と金融機関
イ 運送・保管・保険
ウ 情報と通信
資料活用による流通経済の基礎的な用語の学習
産業別就業者数の構成等の比較・検討
取引文書の作成,商品売買取引の流れの学習
銀行業務の金利計算等の演習
株式相場表による株価チャートの作成
パソコン通信の体験
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○(4)企業の活動とコミニュケーション
ア 流通活動とコミニュケーション
エ 企業内コミニュケーション
オ コミニュケーションと機器の利用
(5)地域経済と流通活動
ア 地域経済の特色
イ 地域経済活動と流通機関小売店舗のレイアウトなどのモデル設計
電子メールによる企業内外の通信の体験
OA機器の使用の体験
資料活用による地域経済の特徴の理解2
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(6)経済社会の進展と流通経済
ウ 流通政策
商品の原価等の構成価格計算
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○(注1)主な活用目的 1 興味,関心の高揚 2 主体的な学習法の確立,態度の形成 3 基礎的・基本的な学習内容の定着
(注2)コンピュータの機能 情:情報検索 計:計算 測:計測・制衝 シ:シミュレーション 図:図形作成 文:文書作成 通:通信
(3)「流通経済」の学習指導内容とコンピュータの機能との関連
新学習指導要領に示された商業科の基礎・基本科目である「流通経済」を例として取り上げ,この科目の目標達成を効果的にするためには,コンピュータをどのように利用したらよいかを調査研究した。ここでは,学習指導の道具として,コンピュータを利用するという観点から,指導内容とコンピュータの機能との関連を分析し,「学習指導内容とコンピュータとの関連」表(表3−12)を作成した。コンピュータを活用して授業の改善を図り,効果を上げるにはどのような活用の仕方があるかの視点にたって内容を検討した。
(4)コンピュータの機能を生かした授業について
コンピュータの機能を生かし,授業の効果を上げるには,よい教材が必要である。使用目的を明確にして,授業の各段階で活用すべきである。
「流通経済」では,次のような活用が考えられる。
1 興味・関心の高揚
授業の導入段階でシミュレーション機能,図形作成機能を使い,興味・関心の高揚を図る。
2 主体的な学習方法の確立,態度の形成
経済に関するデータを蓄積し,簡易データベースを作成して情報の検索などの学習をさせる。
3 基礎的・基本的な学習内容の定着
過去の検定試験問題をコンピュータ教材(ドリル型CAI)にして利用する。各単元毎に問題を分類し,必要に応じて利用できるようにする。
このような目標を実現できような学習教材の開発が必要である。
今後は,授業にコンピュータの効果的な活用を図り,商業教育を通して,生徒の一人一人の個性や能力を仲良し,問題解決力や創造力を育成するよう授業の改善を試行し,実践研究していく。