研究紀要第87号 「基礎・基本の定義と個性の伸長に関する研究 第5年次」 -032/109page
<図2>「よさ」や「その手らしさ」を育てる学習指導の基本型
各教科 道徳の時間 をみつめる視点」として有効に働くような学習場面を設定していく。
○ 「その子らしさ」を伸ばす
道徳の時間で育てていく道徳的実践力は,内面 的資質を意味しており,生活の中で道徳的実践と なって表れその高まりが確かめられる。したがっ て,自分を深くみつめ,自覚された「その子らし さ(自分らしさ)」は,日々の生活の中で発揮さ れ反すうされて伸ばされていくものと考える。
5 本年度の研究
本研究も最終年次を迎えたが,本年度は教科に おける実践研究と並行して5年間の研究のまとめ をした。
本年度の実践研究のまとめについては「II 小 学校体育科における実践研究」で,5年間の研究 のまとめについては「II 研究のまとめ」で述べ る。なお,本研究は「基礎・基本の定着と個性の 伸長」という主題のもとで,毎年教科等を変えて 実践し,詳細にまとめてきた。したがって,それ ぞれの教科と道徳の研究内容については,各年次 の研究紀要を参照されたい。
(1)研究教科と実践研究の方向
本年度は,小学校体育科について研究協力校 (福島市立平野小学校 4年生)との連携を図り ながら実践研究を進めた。その際,前年度の研究 成果についての検討結果をもとに,研究内容,方 法をより深める方向で,次のような課題を持って 実践研究にあたった。
○把握した「よさ」が児童一人一人の意識化に有効につながるような手だてを考える。
○技能教科の特性を踏まえた「よさ」を生かす学習指導の在り方,更に指導計画と学習形態を一層工夫する。
(2) 5年間の研究のまとめ
各年次に実践研究してきた教科と道徳の研究内 容をみつめながら,「よさ」や「その子らしさ」 を育てる学習指導の各段階で試みてきた手だてを 洗い出してまとめた。そして,5年間の研究を振 り返り,各年次の主な研究の成果をまとめた。