研究紀要第87号 「基礎・基本の定義と個性の伸長に関する研究 第5年次」 -036/109page

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(図4)実践授業のねらいと具体的な手だて

(図4)実践授業のねらいと具体的な手だて

(2)「よさ」の把握  

 「よさ」を把握する手だてとして,次の4つの 調査を行った。  

 体育の授業では,児童の課題への取り組み方や集団の中でのお互いの学習活動へのかかわり方の中に個性が表れやすい。 

 そこで授業では,学習カード(「よいところカ ード」)を活用して自分の「よさ」に気づかせよ うとした。  

 【1】事前における「よさ」の把握 

 マット運動と跳び箱運動の興味・関心に関する 調査では,児童の学習に対 する意欲の持ち方について 調査を行い,「よさ」を把 握した。  

 行動特性の調査では,児 童一人一人の「よさ」を, 教師と児童自身がとらえる ために,教師からみた一人 一人の特性,児童自身から みた自分の特性についての アンケートを実施した。そ して,「よさ」として教師 と児童が一致した項目を, 更に一つにに絞った。それを 見やすく,自分の「よさ」 を強調させるために,毎時 間学習カードの中央に書か せ,常に自分の「よさ」を 意識して学習するようにさ せた。  

 【2】授業中における「よさ」 の把握  

 学習カードに自分の把握した「よいところ」を書かせたり,コピーした似顔絵を毎時間はらせ,絵と文章の両面から,自分の「よさ」を意識化させるための手助けとした。 

 技能面については,「できた運動と自分を色の線でつないでみよう!」という活動を通して自分の到達状況を把握させ,自分のめあてを達成させようとした。

(3)「よさ」を生かす指導  

 【1】単元指導計画のエ夫 

 マット運動と跳び箱運動(主運動と主運動)と を組み合わせた連続技ができるようになることを 目標に指導計画を立てた。それは,それぞれの運 動だけで連続技を考え練習するよりは,二つを組 み合わせた方が,多彩なバリエーションが得ら れ,児童の「よさ」を生かす場面がみられると考 えられるからである。  


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