研究紀要第87号 「基礎・基本の定義と個性の伸長に関する研究 第5年次」 -047/109page

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III 研究のまとめ

1 研究実践教科等並びに学年及び単元名・題材名

 5年計画で研究実践した教科と道徳の学年及び 単元名・題材名は,下記の通りである。

(昭和63年度)  
  国語科 小学校第5学年
      第1次実践 「楽しく読もう」 
      第2次実践 「想像を広げて」
  社会科 小学校第3学年
      「人びとのくらしと商店がい」
  数学科 中学校第2学年
      「三角形と四角形」 
(平成元年度)  
  図画工作科 小学校第6学年 
      「物語の絵」 
  英語科 中学校第2学年
      「Lesson5 Emi Likes To Take Pictures」
(平成2年度)  
  算数科 小学校第4学年 
      第1次実践 「角の大きさ」
      第2次実践「小数」  
  道徳 小学校第5学年
      第1次実践「すれちがい」(1時間扱い)
      第2次実践「大冒険」(2時間扱い) 
      第3次実践「見えた答案」(1時間扱い)
      第4次実践「友だち」(2時間扱い) 
(平成3年度)  
  体育科 小学校第4学年
      「器械運動(マット運動・跳び箱運動)」

2 「よさ」や「その子らしさ」を育てる学習指導

 5年間の本研究について,「よさ」や「その子 らしさ」を育てる学習指導の基本型(P32 図2) にそってまとめることにする。

(1)「よさ」や「その子らしさ」の把握

 単元の学習に入る前と単元の導入の段階で,教材,題材内容とのかかわりから,学習形態,学習活動等に生かせるような児童生徒一人一人の「よさ」や「その子らしさ」を把握した。

 ここにおける「よさ」は,学習における達成度だけから見るのではなく,児童生徒一人一人の日常の生活行動の中に表れてくる「よさ」からもとらえようとした。

 【1】第一段階の「よさ」や「その子らしさ」の 把握…児童生徒の全人的な「よさ」の把握

 ○ 学習一般についての調査 

 児童生徒一人一人の学習に対する取り組みの様 子を把握するために,学習方法,学習形態,学習 態度,学習にかかわる生活習慣,学習意欲,自分 のよいところ等についてのアンケート調査を行っ た。

 このアンケートの結果は,児童生徒一人一人の実態の把握だけでなく,指導計画の立案,指導方法,学習形態の工夫等に生かされていった。

 ○ 性格・行動についての調査 

 児童生徒の性格・行動を観察すると,学級やグ ループ等で積極的に活動したり,消極的ではある が,指示されたことや課題に対しては精一杯取り 組むなど,その性格・行動には様々な特性が見ら れる。それらの性格・行動の特性についても,一 人一人の「よさ」として認めた。

 グループでの学習活動では,役割分担することなどにより個々の「よさ」が生かされると考えた。このことから児童生徒一人一人の性格・行動の特性を把握するために,教師の観察,児童生徒へのアンケートを実施した。

 ○ 表現特性についての調査 

 観察・調査の結果から自分なりの考えや思いを 多様な方法(絵,文章,図や表,映像,動作等) で表現することを保障し,児童生徒の得意な方法 で表現させ,個々の「よさ」を生かすために,教 師の観察,児童生徒へのアンケートから一人一人 の表現特性を把握した。

 ○ 「その子らしさ」をとらえる調査 

 特に道徳では,「その子らしさ(自分らしさ)」 を興味・関心,性向,認知の型,行動特性など全 26の質問項目を通して多面的に調査し,把握する と同時に児童一人一人にも「自分らしさ」を自己 診断させた。


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