研究紀要第87号 「基礎・基本の定義と個性の伸長に関する研究 第5年次」 -048/109page

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 調査は,年3回実施し自分を広く,深くみつめ させようとした。そのために,親と教師と児童の 調査項目を共通にし,その結果を児童にも示して 自分をみつめる際の資料とさせた。

【児童用】 この調査は.みなさんをもっとよく理解するために.みなさんの 考えを書いてもらうものです。それぞれの項目の中で自分に合う文章ア・イ・ ウ・エ・オのひとつに,○をつけなさい。26番までつけたら,最後に「自分ら しさ」が最も表れていると思われる5つの項目を選び,番号に○をつけなさい。 

   

F 小学校 5年1租 32番 児童氏名  K子

  ( )ア とてもだいたんなほうである。
  (○)イ どちらかといえば,だいたんなほうである。

【1】私は,

( )ウ だいたんともひかえめともいえない。
  ( )エ どちらかといえば,ひかえめなほうである。 
  ( )オ とてもひかえめなほうである。

 

【教師用】 この調査は,先生の学級の児童一人一人をもっとよく理解するた めに,先生の考えを書いてもらうものです。それぞれの項目の中で児童に合う 文章ア・イ・ウ・エ・オのひとつに,○をつけてください。28番までつけたら, 最後に「その子らしさ」が最も表れていると思われる5項目の番号に○をつけ てください。 
   

F 小学校 5年1組 31番 児童氏名  Y子

  ( )ア とてもだいたんなほうである。
  ( )イ どちらかといえば,だいたんなほうである。

 1 ○○は,

( )ウ だいたんともひかえめともいえない。
  (○)エ どちらかといえば,ひかえめなほうである。 
  ( )オ とてもひかえめなほうである。

 

【父兄用】 これは,者さんのお子さんの「よさ」をさらに広くとらえるため の調査です。それぞれの項目ア・イ・ウ・エ・オの中で,お子さんに当てはま ると思われるものひとつに,○をつけてください。28番までつけたら.最後に 「お子さんらしさ」が最も表れていると思われる項目五つを選び番号に○をつ けてください。

F 小学校 5年1組 23番 児童氏名  S男  

( )ア とてもだいたんなほうである。
(○)イ どちらかといえば,だいたんなほうである。

1 お子さんは, 

( )ウ だいたんともひかえめともいえない。
( )エ どちらかといえば,ひかえめなほうである。 
( )オ とてもひかえめなほうである。

 

 【2】第二段階の「よさ」や「その子らしさ」の 把握…児童生徒の教科・道徳における「よさ」の把握

 児童生徒一人一人の各教科に対する「よさ」を把握するために,各教科,領域ごと,教材や題材に対する興味・関心やレディネスの把握,事前テスト等を行った。そのアンケートやテストの内容は,各教科の特性に基づき作成した。

 道徳では,価値内容に関する「その子らしさ」 をとらえ,意識させる調査をした。この調査は, 授業の1〜2週間前に実施し,児童に授業で取り 扱う価値内容に対するそれまでの考えを整理させ る意図を持つ。そのことによって,価値の内面的 自覚をする際具体的に比較する視点を持たせた。 同時に,価値内容に関する学級の実態を把握する ことができた。

 【3】個人カルテの作成 

 把握した「よさ」を「個人カルテ」に累積記録 した。この「個人カルテ」は,児童生徒一人一人 についての「よさ」の把握,「よさ」を生かす指 導,「よさ」の意識化の各段階を通して,指導に 役立てようとするものである。この「個人カルテ」 は,単元の展開にそって児童生徒一人一人の活動 状況や,指導の手だてとその効果などがわかるも のであり,かつ内容も精選されたものであった。

(2)「よさ」や「その子らしさ」を生かす

 学習指導の場面で,教材内容と学習活動のかか わりから,事前にとらえた「よさ」を生かしなが ら多様な学習活動を構成した。

 「よさ」を生かすためには,児童生徒一人一人 の興味・関心,能力等に応じた教材,題材の選定 や学習課題の設定が必要であった。そのために, 学習形態についても,個別指導,グループ学習, ティームティーチング(T−T)等,児童生徒が 多彩な学習活動を展開できるようにした。

 【1】単元構成のエ夫 

 児童生徒の「よさ」を授業に生かすために,単 元全体を通して大きな課題に取り組む単元構成が 考えられた。

 例えば,算数科においては,第1次実践で「宝 のありかをさがそう」という大きな課題を児童に 投げかけ,角度を測ったり,かいたりする必要感 を高め角度の学習を展開した。このことができる ようになって,再び「宝のありかをさがそう」へ 挑戦させ,できた喜びを味わわせた。更に,発展 学習として自分たちで問題を作りその問題をお互 いに解き合うような単元構成にした。

 社会科においては,課題意識の高揚を図るため に,児童の日常のなにげない消費行動を見直しさ せる第1次の見学を行い,見学の結果からお互い の疑問点や気づきをもとにして事象・事実の持つ 意味を考えさせた。更に,見学調査の結果から共 通の課題を作り,第2次の見学・調査を行い,ま とめ,発表会を行った。発表会の結果から新たな 課題を設定し,第3次の見学・調査を行い,最終 のまとめ,発表会を行った。

 体育科においては,マット運動と跳び箱運動(主運動と主運動)とを組み合わせた連続技を目標に単元指導計画を立てた。それは,それぞれの


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