研究紀要第88号 「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究 第2年次」 -056/109page

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3.研究の構想

(1)主体的な学習活動を支える3要素

 研究の見通しを持つために「主体的な学習活動」の概念規定とその活動を促すための手だてについて理論づけを行った。

 学習指導要領では,自己教育力の育成のために問題解決的な学習経験の必要性を述べている。

 そこで本研究では,目指す主体的な学習活動の姿を学習者の問題解決行動の中に求め,「主体的な学習活動」を次のように概念規定した。

自ら問題をとらえ,問題解決行動をとり,  自力で問題を解決すること。

 授業の中で学習者の主体的な学習活動を引き出すためには,この活動を支える内面的要素を的確にとらえ,内面的要素を踏まえた手だてを講じる必要がある。そこで,一連の学習過程において学習者の内面に潜む心情や能力等を分析し,主体的な学習活動を支える要素を「学習意欲」「情報活用能力」「達成感・成就感」とした。

 これら3要素を高める手だてを意図的に講じて いけば,より主体的な学習活動を促すことができ るであろうと考えた。

図I-2 3要素
図I-2 3要素

(2)主体的な学習活動を促すコンピュータの活用

 本研究では,学習者の主体的な学習活動を促すために中心的な手だてとしてコンピュータの活用を考えている。しかし,コンピュータは,指導過程の中で独立した存在ではない。そこには,学習者がコンピュータに向かう必然性があり,学習者の必要感に支えられたものでなければならなぃ。また,コンピュータを学習の効果的な道具として機能させるには,ソフトウェアの内容との関わりも十分予想される。つまり,授業の指導目標との関連や学習者の問題解決行動を支援する機能が調和的にかみ合っていることが大切である。

 そこで,本研究を進めるに当たって,学習者の主体的な学習活動を促すためのコンピュータによる手だてを【ソフトウェアの内容】と【コンピュータを活用する場の設定】の両面から考えていくことにした。

(3)授業実践の見通し

 主体的な学習活動を支える3要素を高める ソフトウェアを開発し,指導過程の中に一人 一人がコンピュータを活用できる場を適切に 設ければ,児童生徒の主体的な学習活動を促 すことができるであろう。

(4)研究計画

図I-3 研究計画
図I-3 研究計画


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