研究紀要第88号 「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究 第2年次」 -057/109page

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(5)授業実践のための準備

[1] ソフトウェア開発の基本方針

 コンピュータを活用する場面において学習者の 主体的な活動を高めるために,ソフトウェアの中 に3要素に関連する手だてを意図的に含めること にした。下表は,3要素を高める手だてに対応す るソフトウェアの要件を示している。

  要素 対応するソフトウェアの要件
主 体 的 な 学 習 活 動 学習意欲 興味関心を高める事象や資料の提示ができること
問題意識を構成する事象や資料の提示ができること
解決の見通しを持たせる事象や資料の提示ができること
学習者のレディネスに合った内容であること
情報活用能力 実験データ等の集計処理ができること
データ、資料の検索ができること
シミュレーションで疑似体験ができ、解決の予想が持てること
問題解決のための学習情報の提供ができること
達成 ・ 成就感 適切なKR情報の提示ができること
学習者が自己評価し、学習の成果が確認できること
新たな課題が発見できるような問題を含むこと

[2] コンピュータを活用する場の設定

 学習者の問題解決行動を支援し,コンビュータを学習の道具として機能させるために,授業におけるコンピュータの活用の場を次のように設定することにした。

[3] 検証計画

 検証授業に先立ち,資料2にあるような調査用 紙を用いてレディネステストを実施し,その結果 から認知面,情意面を点数化して学級の構成員を 4タイプに分類することにした。

図I-4 タイプ分け
図I-4 タイプ分け

 学級の構成員を4タイプに分類したのは,3要 素の変容をタイプごとに調査し,手だての効果を 構成員のタイプごとに検討するためである。

 3要素の変容をとらえるために検証授業を開始 する直前に資料1にある調査用紙を用いて3要素 の状態について調査し,検証研究が終了した時点 でも同じ調査用紙を用いて3要素の状態の変化を 調査することにした。3要素についての設問は, ランダムに配置し,4〜5段階で回答させること にした。また,3要素の変容は,タイプごとに平 均の差を「t検定」によってとらえることにした。 「t検定」でとらえきれない部分は,学習者の感 想を基に詳しく調査することにした。

 検証授業は,1単元を通して行い,コンピュー タを活用した授業を数時間にわたって実施する。 研究協力校は,コンピュータが20台程度設置 され,学習者にある程度コンピュータリテラシー が高まっていることなどを勘案して委嘱した。

図I-5 検証の方法
図I-5 検証の方法

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