研究紀要第88号 「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究 第2年次」 -061/109page

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(5)授業実践

[1] 概要

 コンピュータを活用して主体的な学習活転を高めるために,使用期間は,少なくとも単元を通してコンピュータを活用していかなければならないと考えた。

 そこで,本単元を図II−4に示した指導計画で実施するとともに,ソフトウェアの内容と利用のね らいを明確にした。単元導入時(第1次の第1時)の指導過程を,例として図II−5に示す。                        (総時数14時間)

時間 学 習 内 容  ね  ら  い ソフトの種類・内容 ソフト利用のねらい
第一次 4 いろいろな水溶液の
特徴を調べる。
○水に物が溶けている液を水溶液ということが分かる
○固体の溶けている水溶液のあることが分かる
○激しく振ったり,温めたりすると溶けていた気体が出てくると予想できる。
○二酸化炭素の溶けている水溶液のあることが
 分かる
CAI
○既習内容の復習


○実験方法の確認


データベース
○実験器具の操作の確認

○未知の水溶液の調べ方を,コンピュータを用いて個別に学習させ,水溶液の性質の学習に対する意欲づけと,次の学習へ発展させる方向づけをする。
第二次 3 リトマス紙を使って
水溶液の性質を調べる。
○いろいろな水溶液の性質は,酸性・アルカリ性・中性の3つに分けられることが分かる
○塩酸や水酸化ナトリウム水溶液は,強い性質を持っていることが分かる。
データベース
○実験器具の操作の確認
○酸とアルカリの扱い方や実験の操作については,コンピュータで個別に確認させ,正しい使用法を身につけさせる。
第三次 3 いろいろな水溶液の
中に金属を入れて調べる。
○水溶液の中には・アルミニウムを溶かす物のあることが分かる。
○水溶液の中へ金属を入れると,金属の種類に  よって溶けたり,溶けなかったりすることが分かる。
   
第四次 3 酸性とアルカリ性の
水溶液を混ぜ合わせ
たときの変化と生成
物について調べる。
○酸性とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると  中性に近い状態に変化することが分かる。
○酸性とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると新しい物ができることが分かる。
CAI
○実験方法の確認


データベース
○実験器具の操作
の確認

○中和するための実験方法を個別に確認させる。
第五次 1 いろいろな水溶液の
性質を調べる。
○身近にある水溶性のリトマス反応を調べ,水  溶液の性質を酸性・アルカリ性・中性に分けられることをまとめる。
CAI
○実験方法の確認


データベース
○実験器具の操作の確認

○各グループに実験計画を立てさせコンピュータで実験方法を確認しながら,自由進度で学習を進めさせる。

図II-4 水溶液の性質の指導計画

<授業風景>

授業風景
(未知の水溶液を調べるために,グループ ごとにコンピュータを活用している様子)

授業風景
(コンピュータから得た情報をもとに 実験を進めている様子)


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