研究紀要第88号 「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究 第2年次」 -063/109page

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[2] 授業の観察記録

ア 導入入の段階

 水溶液に溶けているものを調べるという共通の課題について,メニュー画面から既習事項に対する自分たちの状態を判断し,コースを選択していった。

イ 確かめる段階

 水溶液に何かが溶けているかを調べる場では, 4つのタイプ別グループの中から,さらに1〜 2名を抽出し活動の様子を観察した。

○A児(情意+,認知+)

 最初にコンピュータから学習のおおよそを把握したようで,あとは自分で実験計画を立てて意欲的に学習を進めていった。

○ B児(情意−,認知+)

 授業の最初はたいへん不安な様子であたりを見まわしていたが,コンピュータで実験方法が確認できることが分かると,二人で協力して実験方法を一つ一つ確認しながら進めていった。

○ C児(情意+,認知−)

 実験をするということよりも,コンビュータの操作に熱中してしまい,コンピュータを見ながらパートナーに実験の手順を指示するだけであった。

○D児(情意−,認知−)

 自分でコンピュータを利用しようとか・自分の考えで実験を進めようということがみられず,ペアを組んでいた女子に指示されたことだけの行動しか見られなかった。

ウ まとめの段階

 実験の結果から,食塩水,炭酸水,アンモニア水については判断することができた。しかし,予想した通り既習内容だけでは,塩酸,水酸化ナトリウム液については判断できず,どうしたらこれらの水溶液が分かるのかという課題に集約されていった。単元導入段階として共通の課題ができた。

[3] 授業の考察

 授業の観察記録からみて,Aタイプの児童は, 実験内容をコンピュータで確認しただけで,そ れぞれが問題意識をもって学習を進めることが でき,満足感を持てたようである。

 Bタイプの児童は,実験内容をコンピュータ で確認したことで,授業の見通しができ,意欲 的にコースを選択しながら,学習を進めること ができたようである。

 AとBタイプの児童がある程度コンピュータ に問い合わせながら,主体的な学習活動がみら れたことから,教師はCとDタイプの児童に個 別指導の時間を確保することができた。

4.結果と考察

(1)事前・事後調査の結果と考察

 事前・事後調査(資料1)による評価は,単 元導入時と単元終了時に実施し,学習意欲(14 項目),情報活用能力(10項目),達成感・成 就感(6項目)のそれぞれを平均し,タイプ別 グループごとにt検定によってその変容をとら えた。

 結果は図II−6に示す。t検定によって有意 差の見られた項目には,◎を表示した。

タイプ 学習意欲 情報活用能力 達成感・成就感
Aタイプ
Bタイプ  
Cタイプ    
Dタイプ  

図II−6 t検定の結果

 また,検定の結果から次のようなことがいえる。

 これらのことから,コンピュータを使えば,情報活用能力はすぐに高まるが,学習意欲,達成感・成就感については,今後もう少しソフトウェアの内容を検討し,授業で活用しながらその変容を見ていかなければならないと考える。


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