研究紀要第88号 「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究 第2年次」 -066/109page

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[3] ソフトウェアの内容

 生徒はコンピュータの画面を見なが ら,自分で角度を変化させたり,その 大きさを視覚的にとらえたりすること ができる。図形の移動では,移動先や 対称軸などを生徒が自由に設定し,画 面でシミュレーションさせて,移動の 意味が理解できるようにした。また, これらのショートプログラムを一括し, 学習に必要な項目を生徒が自由に選択 できるよう,メニュー形式にした。こ のことによって,単元の中では学習内 容に合わせて利用でき,まとめの段階 ではデータベース的に利用できる。ソ フトウェアの構成を図III−2のように した。

図III-2 ソフトウェアの構成表
(このメニューからショートプログラムを自由に選択できる)

図III-2 ソフトウェアの構成表
図III-2 ソフトウェアの構成表

表3−1コンピュータ活用計画
単元名 「平面図形」               総時数13時間
内容(時数) ね  ら  い ソフトの内容とねらい
1.直線と角

   (1)
直線と角について.その意味を
明らかにし.用語や記号を用い
て正確に表わすことができる。
角の大きさを自由に表示
させ,角の概念を定着さ
せる。
2.平行線と垂線
   (2)
作図などをによって意味を理解
し.関係を記号で表現する。
いろいろな垂線のひさ方
を習得させ,意味を理解
させる。
3.垂直二等分線


   (2)
線分の垂直二等分線の性質を
理解し,作図できる。
作図の仕方を習得させ,
その意味を理解させる。
面面上に2点からの距離
が等しい点をとり, 垂直
二等分線になることを面
面上で模擬体験させる。
4.角の二等分線
   (2)
角の二等分線の性質を理解し,
作図できる。
同上 角の二等分線につ
いて模擬体験させる。
5.図形の移動


   (1)
平行移動,回転移動,対称移動
について理解し,作図できる。
移動先の点や対称の中心
点,対称軸を自由に設定
させ,繰り返し移動させ
意味を理解させる。
6.おうぎ形と
    中心角

   (2)
弧や弦,おうぎ形の弧の長さ,
面積と中心角の関係を理解する
。円周率を理解し,近似値での
表わし方を知る。
弦の長さが最大になる位
置を模擬的に確かめさせ
る。中心角の増減によっ
て弧て長さやおうぎ形の
面積が変化することを視
覚的にとらえさせる。
7.練習問題
   (l)
単元全体の内容や,技能に関して
ての定着を図る。
以上のソフトを中心にし
て1つにまとめ,メニュ
ーから選ぺるようにして
個人差に応じて,活用で
きるようにした。
8.ま と め
   (2)
  本時 1/2
自分に合った課題を選択して,
解決する。

(4)授業実践

[1] 概要

 本時は,コンピュータ活用のまとめの時間である。事前に8時間程度,このソフトウェアを利用し,単元内容を学習している。本時は問題解決学習の時間として設定し,ソフトウェアをデータベース的に活用する。生徒は,与えられた問題をコンピュータを活用して解くが,ワークシートを用いて,コンパス・定規などを扱う技能の定着も図った。また,生徒同士が相談し合って学習することを前提にペアを組ませ,1ペア当り1台のコンピュータを利用させた。

ア.ソフトウェア利用のねらい

a.生徒が必要とするショートプログラムを,データベース的に自由に取り出し,復習しながら問題を解決していく場を設定し,主体的な学習態度を育成する。

b.既習内容を確かめさせ,確実な基礎基本の定着を図り,学習意欲も高めながら,新たな課題を追究しようとする態度を養う。

c.自分が必要とする事項を適切に選びながら問題を解決していくことを通して,資料や情報を主体的に活用する態度を養う。


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