研究紀要第88号 「授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究 第2年次」 -068/109page
[2] 学習状況
ほとんどの生徒が,データフロッピィの扱いやマウスの操作などに慣れており,コンピュータを学習のツールとして活用するために必要なリテラシーが育成されていた。本時においては,コンピュータの扱いについての学習が最小限に押えられ,ねらいに沿ったソフトウェアの活用が展開された。事前に本時使用のソフトウェアを活用し,学習してきたので,必要以上にコンピュータを使うことなく,メニューから適切にショートプログラムを選んで活用していた。生き生きとしてコンピュータの画面を操作し,意欲的に問題を解く生徒の姿が印象的であった。
画面の例
回転移動 1
回転移動 2
回転移動 3 4.結果と考察
(1)結果
検証はt検定で行い,各タイプごとのコンピュー タの有効性を検証した。その結果を表III−2に示 す。評定尺度は資料1(小学校の例)を参照。
(2)考察
t検定の結果から,A及びBタイプの生徒には「情報活用能力」についての効果がみられるものの,他のタイプでは顕著な高まりを示すものがみられなかった。「学習意欲」,「達成感・成就感」といった学習活動の情意面まで高めるには到らなかった。活用時間等が不十分であったのかもしれない。しかし,t検定によれば,コンピュータ活用の効果は,タイプによって速度差がみられることが分かる。このことから,さらに個人差に応じて活用できるソフトウェアを作成・準備すれば,効果が上がることも考えられる。
5.まとめ
t検定による結果を含め,生徒や授業者の感想から考察し,3要素の高まりの変容をみる。
(1)生徒のアンケートによる考察
各グループごとに生徒の感想アンケートを集計して考察した。