研究紀要第90号 「個を生かす学年・学級経営に関する研究 第3年次」 -011/117page
(振り返りカード)
[10/17 学習発表会の練習]
学習発表会でS男は笛を演奏することになった。パート練習では, 自分なりに一生懸命練習し,合格するように何度も何度も試験に挑戦していた。
「負けず嫌いで頑張るところがS男君のよいところだよ。」 と励ました。
S男が合格するように,一緒に練習につきあっていた同じパートの友達の姿が印象的だった。[10/20 児童会委員会の活動]
児童会委員会の学級へのサービス活動として,S男の所属している飼育委員会では,メダカの観察記録を書くことになった。 S男は第1回目をすぐに書いて 担任に持ってきた。早速次の日の朝,みんなに紹介し, 「みんなのためにメダカの観察記録をすぐに書いて持ってきてくれました。すばらしいことですね。理科の得意なS男君のことだからみんなの気付かないことをたくさん紹介してくれると思います。」
その後も忘れることなくS男か観察記録を書き,みんなに紹介し続けている。[11/13 連絡カード]
かぜで欠席する。 「連絡カード」を届ける。
S男は,「連絡カードを読んでとても喜んでいた」と,母親から連絡を受けた。
翌日登校してから,カードにコメントを書いた友達と楽しそうに話していた。(4) 変容
実践の結果,次のような変容が見られた。<S男の変容>
(S男のよさのレーダーグラフ)
・消極的な行動が目立ったが,自分の好きなことには一生懸命取り組むようになった。
・友人とトラブルを起こすことが少なくなり一緒に遊ぶことが多くなった。
・よさのレーダーグラフの自己評価が,全体的によい傾向に変容してきている。