研究紀要第91号 「一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究 第1年次」 -039/117page
ウ 今後重視したい情意面の評価方法
〔設問17〕16の3つの評価方法の中で,あなたが今後重視したいと考えている評価方法はどれですか。 今後重視したい情意面の評価方法
全体的な傾向を見ると,「児童生徒の自己評価」と「児童生徒の相互評価」を今後重視したいと考えている回答が多かった。
今後重視したい情意面の評価方法(校種別)
校種別傾向を見ると,今後重視したいと考えている評価方法に違いが見られた。小学校では「児童の自己評価」,中学校でも「生徒の自己評価」,高等学校では「教師からの評価」の選択数が多かった。
今後重視したい情意面の評価方法(教科別)
教科別に見ると,今後情意面の評価方法として重視したい割合は,6教科と実技教科でほぼ同じ結果であった。
6) 評価結果の数量化
ア 評価結果を数量化することの必要性
〔設問18〕あなたは情意面の評価結果の分析や表示の手だてとして,評価結果を数量(数値)化することが必要であると思いますか。また,理由として考えていることがあれはお書きください。
校種別に見ると,評定結果を数量化することについて「必要である」とする回答が中・高等学校に比較して小学校においては少なかった。これは,小・中・高等学校における学級担任と教科担任という違いと児童生徒の発達段階の違いが一因となっていると思われる。
(ア)数量化が必要である理由
「点数化することで多面的,総合的に評価したい」とする理由が最も多く見られた。次いで〔設問6〕の情意面の評価目的の一つ「指導要録,通知表の記入のため」に関連して,「簡素化して効率的に処理して評定に入れ,通知表,指導要録に書くため」とする回答が多かった。
校種別で比較してみると,高等学校で「多面的,総合的に評価したい」という回答が多かったのに対し,小学校では「簡素化して通知表,指導要録に書くため」という回答が多く見られた。
(イ)数量化が不必要である理由
不必要としてあげられた回答の理由は,「画一的数量化は適切ではない」が30%あった。次いで「客観的に正しくはできない」が約15%あった。
イ 評定への組み入れ割合とその理由
〔設問19〕あなたは,情意面の評価の結果を児童生徒の評定(5段階など)に組み入れていますか。あるいは,評定と切り離して評価を行っていますか。また,理由として考えていることがあればお書きください。