研究紀要第91号 「一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究 第1年次」 -048/117page
2 「掛田の生糸」
前時の確認から授業に入り,繭や生糸の実物を提示して興味・関心を高め,掛田の生糸の商標を数枚提示し,明治維新後掛田の生糸が外国に輸出されていたことを読み取らせた。
(掛田の生糸の商標)また,当時の掛田のにぎわいの様子を写したスライドを提示し,掛田の生糸の生産が盛んになった理由を予想させた。
○ 昔から盛んだったのでもっと研究が進んだからではないか
○ 蚕の品種改良などをしたからではないか
○ 展覧会などに出して掛田の生糸や養蚕に注目させたからではないか
などの予想が出され,児童はそれぞれの課題意識を持ち,次の調べ学習に向かった。「掛田についての調べ学習」の段階においては,「霊山町史」等をもとに資料集「生糸の町・掛田を作成し,使用した。その内容は右上のようなものである。
調べ活動はワークシート(「おたすけシート」)を使って進めた。
前半は一人で調べ,後半はグループで協力しながら,十分調べられなかったところやよく分からないところを調べるようにした。資料集「生糸の町・掛田」の内容内容
≪掛田と生糸の基礎的資料≫ ○日本に来た外国商社
○明治の掛田
○日本の掛田
○掛田の養蚕の歴史
○金子町のにぎわい
○安田利作と掛田養蚕伝習所
○掛田の子どもたち
○養蚕の神様≪掛田と生糸の発展的資料≫
○「掛田の生糸」 発展につくした人々
・安田利作(やすだ りさく)
・大橋 済(おおはし わたる)
・丹治梅吉(たんじ うめきち)
・菅野平右衛門(かんの へいえもん)≪掛田と生糸の追究的課題≫
○もっと調べてみよう
・全国蚕糸業共進会
・掛田養蚕伝習所
・横浜港における輸出品
・生糸の生産量「掛田の町」見学は4時間設定し,生糸や養蚕の発展に関連のあった場所の見学をしたり,昔の生活の様子について老人から聞き取り調査などを行った。小国川のそばでは,周りが全部桑畑だった様子をイメージさせ,「見学ノート」にそのイメージをスケッチさせた。児童は当時の人々の生活の様子を想像し,人々の努力や苦労を共感的に理解するとともに,自分たちの地域のすばらしさに気付いていったのである。この見学の様子は49ページの「掛田フィールドワーク」のとおりである。
歴史の新聞を作ることは本小単元の導入時に予告してあり,中心とする内容,必要な資料,歴史新聞の題名などを考えておくように指示し,構想メモに記入させた。
(歴史新聞づくり)