研究紀要第91号 「一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究 第1年次」 -052/117page

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 S子の「ふりかえりカード3」

S子の「ふりかえりカード3」

 S子の「ふりかえりカード6」

S子の「ふりかえりカード6」

田舎で少しはずかしかったけど,これからは堂々と道を歩けるような気がする」と述べた。このように児童の関心が高まるとともに,その関心が連続しており,理解や考えが少しずつ深まっていることが分かった。

 (ウ) 関心・意欲の持続と表現活動
「ふりかえりカード」に記入することを通して,児童は自分の取り組み方や興味・関心を認識し,次の学習の意欲へとっなげ,表現活動の充実に桔び付けていることが分かった。地域素材を教材化した「掛田の生糸」の導入と調べ学習の後の「ふりかえりカード4」で,全員が掛田についてもっと調べてみたいことがあると答え,課題として次のことをあげていた。

掛田の発展に尽くした人々  20 名
昔の掛田の町の様子  6 名 
昔の掛田の学校の様子  4 名
「おしら様」伝説  2 名
        (欠席1名)

 この興味・関心が次の「掛田フィールドワーク」での意欲や歴史新聞の内容へつながっており,24名の児童が掛田の発展に早くした人々として,安田利作や佐藤友信などのことを歴史新聞で取り上げていた。これは,掛田の様子を調べ,さらに見学するという学習が児童に強い印象を与え,それが歴史新聞作りの意欲につながったものと考えられるのである。例えば,「ふりかえりカード5」で,H男は「蚕の成長や糸になるまでの様子を中心にまとめたい」と答え,それを次のよう歴史新聞に記述していた。

(H男の歴史新聞の一部)

(H男の歴史新聞の一部)


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