研究紀要第92号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発 第1年次」 -062/117page
2 体験的な活動のとらえ方
体験的な活動とは,児童生徒一人一人が自らの五感を使って対象に直接はたらきかけ,自ら思考し,判断し,表現することによって問題解決を図るなどの活動としてとらえた。
体験的な活動には必然的に児童生徒の主体的,能動的な行動が含まれていて,児童生徒はこの行動を通して多くの知識・理解,技能が得られ,それらが基盤となって創造性が高まり,社会の変化に対応できる能力が培われるものである。このような考えから,本研究では体験的な活動が創造性を高めるための有効な方法の一つと考えた。
体験的な活動の内容は,直接経験や実践的な活動を主とするが,直接経験が困難な場合もあり,それも含めて次のようにとらえた。
(直接経験や実践的な活動)
○ 観察
○ 実験
○ 実習
○ 製作
○ 調査
(直接経験が困難な場合の活動)
○ モデル等による観察・実験
○ シミュレーション
○ ロールプレイング
3 教材のとらえ方
教材とは,一般に学習内容を児童生徒に習得させるために使用する素材・教具を指すが,本研究では,それらに観察,実験,実習,製作等の方法も教材として広くとらえた。
4 教材開発の視点
体験的な活動を重視して,創造性を高めることをねらい,次の視点から教材を開発する。
○ 関心をもって意欲的に取り組める教材
○ 問題点の認識や問題解決のための直感力を養える教材
○ 柔軟な想像力や論理的な思考力を高め,創意工夫が図れる教材
○ 問題解決の手順や技能,表現力が習得できる教材
○ 自主的,持続的な態度が身に付く教材
5 教材開発の留意点
教材を開発するに当たって,以下の点に十分配慮する。(1) 身近な素材や地域素材をできるだけ利用する。
(2) 学校で容易に製作や活用ができるようにする。
(3) アンケート調査をもとに,各学校の要望等を考慮する。