研究紀要第92号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発 第1年次」 -070/117page
B−1 上皿てんびんづくり
1単元名 「ものの重さとてんびん」(第4学年)
2 ねらい
この単元では段ボールを用いたつり下げ方式のてんびんで指導しているが,小学校4年の児童には市販の上皿式てんぴんとの関連を理解させることが難しい。
そのため,身近な材料で作る「上皿てんびんづくり」を開発し,体験的な活動を通して理解を深めると同時に児童の意欲,感性,技能を高めることによって創造性の育成を図った。
3 教材の概要
(1)特 徴
1) 家庭用ラップの芯である紙円筒,段ボールなど,児童に身近な材料を使って児童一人一人が自主的に作れる。
2) 鉄製スタンドの代わりに紙円筒の台を活用することにより個別化を図れる。また,てんびん棒をつり合わせるとき,支点の位置を変えたり,段ボールの端を切ったりと児童の工夫を図れる場と機会が多く設けられる。
3) この自作てんびんはクリップ1個(0.2g)程度の質量で大きく傾く。
(2) 材料・準備品
1) ストロー 2本・竹串 3本 2) 段ボール板(良さ44cm×幅2cm1本,長さ40cm×幅2cm 2本,(カッターで切る) 3) ラップの芯(紙円筒) 2本 4) はさみ,のり,千枚通し,カッター(3) 作り方
2) 下図のように段ボールを切り,T字型にのり付けして,てんびん棒を作る。
4) 1)〜3)の部品を組み立てる。可動部は段ボールのすきまにストローをいれ,竹串を通す。
4 指導例と留意点
(1)教師による製作法の説明等はできるだけ簡単にし,自作てんびんを見せて児童に自由に工夫させて製作させる。
(2) 段ボールなどは,児童の実態にもよるが,教師が切って準備しておくとよい。 (3) グループで協力し合いながら一人1台製作させ,身の回りの軽いものを測定させて学習の個別化を図る。