平成5年度 研究紀要 Vol.23 -100/162page
2.課題設定、課題解決での考察
「私たちの村の環境」「環境に対して自分たちでできること」などの「はてな?カード」から学習内容の一つである目然環境を保全することの意識の高揚と、課題解決への意欲を高めることに役立たせることができた。
総数32枚の「調ベカード」では、想像力を働かせて自分なりの考えをまとめたり、絵や図を使って説明したりする生徒も見られ、進んで課題解決に取り組ませることができた。
また、「生徒一人一人が課題を設定できたこと」「それぞれの課題を自分で調べ、解決できたこと」「課題を生徒に提示したことで、興味・関心のある他課題解決への取り組みも見られたこと」など、開発した教材と「はてな?カード」「調ベカード」の組み合わせによらて、生徒一人一人の課題解決学習を進めることができた。
(2)表現活動としてのマルチメディアの活用
1.活用の構想
金沢大学教授、吉田貞介氏は教育工学実践研究109号(才能開発教育研究財団)のメディアリテラシーの中で、発信力について、「データを処理して得た自分の考えを、他へ的確に伝えることが、新しい能力として求められている。相手に自分の意図が正確に伝わらなけれぱならない。」と述べている。また、創作カについては、「これまでの伝統的な手の技能から解放された操作技法に触れさせることにより、これまでとはちがった創作力が形成される。」と述べている。そこで、このような考え方を、生徒の豊かな表現活動に生かすことができると考え、以下のような構想を立て、その活用を試みた。(ア、イ、ウ、工は展開順を示す)
ア
表現活動のイメージ化:マルチメディア教材で学習グループ編成(課題別)
↓
イ
情報収集:「調べカード」をもとにしたより多くの資料の収集↓
ウ
表現方法検討:伝えたいことが伝わるような表現方法の検討。
(文字、図表、映像、音声の組み合わせ)↓
エ
表現活動:コンピュータ入力2.表現活動の概要
「はてな?カード」の課題別に10グループ編制で活動させた。
特にこの学習で、映像を用いて表現活動した「私たちの村の環境」という課題に取り組んだグループ(3人)の活動を中心に、ア〜工について概要を以下に述べる。
ア 表現活動のイメージ化生徒は開発教材で学習しているので、コンピュータで何ができるのかおおよそのイメージを持っている。そこで教師は、「調ベカード」をもとに、コンピュータを使ってまとめ、発表させる支援を行った。
イ 「調ベカード」をもとに情報収集'身の回りの環境について、グループで話し合い気づいたことを記述させた。主な内容は下記の通りである。