平成5年度 研究紀要 Vol.23 -107/162page

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 会場は、下のような配置となる。

会場配置

 検事側、弁護側は、4〜7名程度で、同数とする。

 陪審グループの数は、票決を配慮して奇数になるようにする。

事前準備


1.課題設定…夏休み前に、研究課題を選択させ、レポートを提出させた。

2.テーマの設定…テーマを選択者の数などから、「PKO」「安楽死」など四つに絞り、賛成、反対について事前調査をし、ディベートとして成立するかどうか、吟味した。

(3)授業計画


  8時間の計画を立てた。

 1 オリエンテーションとテーマ選択
(ディベートの意義、準備の仕方、「情報カード」の使い方など)

 2.3 じぶんがディベーターになるテーマについて図書館で調査。「情報カード」作成。

〈放課後の指導〉

 放課後、検事、弁護側のグループごとに 集まり、討論を重ねて、論拠を整理した。
 「質問予想カード」を用いて、相手側の質問を予想し、対策を立てた。
 証人喚問については、最も有効と考えられる証言内容を決定し、担任と打ち合わせた。

4.5.6.7. 「ディベート」実施。交替で、ディベーターと陪審を体験した。なお、テーマは、「PKO」「安楽死」「原子力発電」「米の輸入自由化」の四つであった。

8. 評価と実際

(4)授業の実際


 実践例の一つとして、9月18日(土)に1年3組で実施した「PKOへの自衛隊の参加」をテーマとする授業を紹介したい。

 下の写真のように、中央に裁判長と書記官、陪審から見て左手に検事側、右側に弁護側がならぷ。中央の椅子には、本時のテーマを記したカードが被告として座っている。(証人喚問の場面)

(証人喚問の場面)

 裁判長が開廷を宣言すると、さっそく検事側は冒頭陳述において、「PKOへの自衛隊の参加」が有罪であることを、次の3点から立論した。1.憲法が軍事的解決を否定していること2.犠牲者が出るなど危険性が高いこと3.自衛隊の「PKO」参加がアジアの民衆に危惧の念を与えることなどである。

 これに対し、弁護側は1.憲法に違反していない2.今回の「PKO」は、選挙監視、災害復旧を目的としている3.日本だけが人的支援を惜しむのは国際的信用を失うと応酬し、それぞれ基本的な立場を明らかにした。

 反対尋問では、双方5分間の持ち時間を使って質問しあった。検事側は、「PKO」以前の平和的援助の必要性を訴え、ボスニァ・ヘルツェゴビナ問題を例に、海外での自衛隊の活動については


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