平成5年度 研究紀要 Vol.23 -120/162page
事前調査・・・「木の葉、草花遊びは好きですか」
このグラフからも分かるように、男子は「嫌い」が11人と圧倒的に多かったのが、「作りたくない」と答えた人数が2名に大きく減少している。
これは、質問項目が異なるので、直接比較することには無理があるかもしれないが、男子において、製作意欲が高まったことは、教師の観察からも確かである。
この変容は、事前のアンケート調査により、児童の実態をとらえ、児童一人一人の興味・関心を喚起させ、生き生きと活動できるように指導計画を工夫したことによるものと考えられる。
また、児童のよいところをほめたり、つまずきを援助したりすることにより、一人一人の児童が活動の楽しさを味わうことができたからであると思われる。
児童が楽しく活動したことは、次の感想文からもとらえることができた。
3 学習についての感想文
単元の学習終了時に、『「秋となかよし」で勉強したことをおうちの人に教えよう』と働きかけ、感想文を書かせた。以下は、その感想文の例である。
それを見ると、「おもしろかった」「楽しかった」「うれしかった」など、気持ちを直接的に表現した児童が12名いた。また、記述内容は、木の実や木の葉探しをしたこと、飾りや遊びに使うものを作ったことに関することが多く、どの児童も活動や体験に楽しく取り組んだことが分かった。
また、感想文の中には、S・Aのように「ようすけくんのが一ぱんまわりました。ゆうたくんのこまは、エアーせんぷうでした。しんやくんは、きらきらのおりがみをはってまわしました。」など、友達のよいところや工夫したところに気付いていることも分かった。
さらに、M・Kの感想文を見ると、「へんなむしがいました。でも、かわいそうだからにがしてくれました。」の記述があり、M子の虫に対する思いが感じられた。
4 教師の援助・評価カード
次ぺ一ジのカード中の「児童の様子」は、事前アンケートの結果、具体的な活動や体験における教師の観察、児童の自己評価(「できたぞカード」)などを基に、一人一人の児童にツいて記入していったものである。
生活科においては、教師も児童といっしょに活動することが望まれる。そのため、児童の活動の様子は、学習終了後に記入することにし、3,4時間連続した活動だったので、できるだけ多くの児童を見取ることを心がけた。特に、活動における一人一人の児童のよさを伸